△-3
「んっ…んぅっ…」
唇を貪るように、角度を変えては陽向を攻め続けた。
すべすべした尻や背中を何度も何度も撫でる。
陽向も、広くて程よく筋肉のついた背中を優しく撫でる。
唇を離し、柔らかい乳房に顔をうずめて乳首を舐め回すと、そこはすぐに硬くなった。
「ちょー立ってる」
「やめてよっ…」
「やめていーの？」
「……だめ」
陽向はイヒヒと笑って湊に抱きついた。
どうしてこんな可愛いの？と問いたくなる。
「こっち来て」
湊は起き上がって陽向を後ろから抱き締めて柔らかい乳房を揉みしだいた。
首筋に唇を這わせ、徐々に耳まで辿っていく。
赤くなった耳の中に舌を差し込む。
「は…あぁっ！湊っ…っや…」
「そんなエッチな声出して…やらし…」
「んんっ…ぁう…」
陽向の性感帯は耳だと知っている湊は、執拗にそこを攻め続けた。
右手を股間に滑り込ませると、そこはびっくりするくらい濡れていた。
薄めの陰毛を掻き分けて開かせる。
中指でゆっくりと撫でる。
「あ…はぁ…」
「ビチョビチョだね」
「言わなくて…いいっ…」
指を沈めると、きゅうきゅうと締め付けられた。
この中に入り込むことを想像するだけで股間が狂い始める。
ゆっくりと指を動かす度に、陽向は甘い声を漏らした。
「湊…」
振り向いた陽向の口を塞ぐ。
陽向の手が、髪を撫でる。
指を2本に増やして掻き回すと、塞がれた唇から甘く切ない声が漏れた。
舌を絡めるだけでなく、陽向の唇そのものを貪るようにキスを繰り返す。
「んぁ…はぁ……ぁ…気持ちいよ…」
湊の手のひらはもう、愛液でビショビショだ。
指を曲げて陽向の一番感じる場所を攻め続ける。
胸を弄っていた手をクリトリスに伸ばし、擦り上げる。
「んんっ！あぁっ…」
ピクッと身体を震わせ、閉じられようとした陽向の脚を自分の脚で押さえ、無言で刺激を与え続ける。
「やだっ…っあ！だめっ…あっ…！」
じんわりと何かが滲み出てくるのを感じた。
陽向は小さい声を上げてイってしまったようだった。
「ばかっ…」
涙目で呟いた陽向が愛おしくて仕方ない。
湊は陽向を自分の方に向かせて抱き締めると、そのまま仰向けになった。
「気持ち良かったっしょ？」
コクっと頷く頭を優しく撫でる。
「もう無理限界…入れたい」
湊は自分のものを陽向の秘部にあてがい、ゆっくり腰を浮かせた。
弛緩した膣内が妙に心地良い。
「…っあ」
「んんっ…あぅ…」
少し汗ばんだ陽向の前髪を書き上げておでこにキスをする。
泣きそうな顔で微笑む。
自然と自分の顔も綻んでしまう。
今度は陽向からキスをする。
愛おしいその身体を抱き締めて互いを感じ合う。
いつもより、敏感になっている。
耳にかかる陽向の吐息が興奮を煽る。
「は…あ…湊……」
「ひな…」
こんなに愛した女がいただろうか。
身体中から切なくて愛おしい気持ちが溢れ出て止まらない。
「んぁっ…あっ…はっ……い、イっちゃうっ…やぁっ！」
無我夢中で腰を動かしていた。
陽向の中が小刻みに締め付ける。
「っあ…はぁ…ぁ…」
「…イっちゃった？」
くたりともたれかかる陽向を抱き起こし、そのままベッドに寝かせる。
脚を開いて興奮の冷めやまぬ自分のものを打ち付ける。
「湊っ！いぁっ……あっ…」
腕を掴んでいる陽向の手を握り締めて奥の奥まで激しく攻める。
丁度子宮の入り口に当たるその場所が、気持ちいい。
再び収縮し始めた中が若干、締め付ける。
湊は小さな身体を包み込むと、上から押し付けるように腰を送った。
「っあ…」
「んっ！あっ！…あぁっ」
ぎゅっと目を閉じた陽向の目から涙が一筋零れ落ちた。
ビクビクと身体を震わせる陽向を抱き締める。
もう我慢できない。
シーツに放り投げられた手に、指を絡める。
小指に輝くピンキーリングが手に触れる。
何も考えられないくらい、快感を求めて動く。
「っう…あっ……ひな…イく…」
「んぁ…あっ…」
ぐっと波が押し寄せてくる。
名残惜しく締め付ける中から引き抜いたと同時に、微細胞が散らばった。
「ぁ…はぁ……んぅっ…」
エロ過ぎるその顔がたまらなく可愛くて、キスしたくなる。
湊は、息の整わない陽向の唇に唇を重ねた。
しばらくして、ちゅっという音と共に離れる。
「何で泣く」
両手の親指で涙を拭う。
湊が困ったように笑うと、陽向もタオルケットで顔を半分隠して「なんでだろ」と微笑んだ。
「湊のことが…好きだからかな…」
陽向は湊の首筋に腕を回し、抱き締めながらそう言った。
「幸せで…怖いくらい幸せで……」
だんだんと涙声になっていく陽向の声。
「いつか…終わる時が来るのかなって…たまに考えちゃうの……」
「何でんなこと考えんだよ」
「だって…」
いつもの泣き虫陽向が始まった。
湊は泣きじゃくる陽向の髪を撫でて「おー、よしよし」と笑った。
「真面目に…話してるのにっ！」
「そんな事で泣かれたら、俺が今日これやった意味ねーじゃんかよ」
陽向の右手の小指を掴んでため息をつく。
「陽向」
「…なに」
「俺と約束して」
「……」
「もう、離れないって」
「え…」
「俺が、お前のこと幸せにするから」
陽向が湊を見上げる。
「見んな」
陽向の頭を首筋に押し当て、深呼吸する。
自分の顔はきっと赤い顔をしているに違いない。
アルコールのせいだと言い訳したいくらいに。
「ずっと…俺の側から離れんなよ」
細い指が、自分の指に絡む。
陽向は今、どんな顔をしているのだろう。
コクっと頷いた陽向を優しく抱き締めて、湊はゆっくり目を閉じた。