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『女神様伝説』
【SM 官能小説】

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第3章-1

      第3章

 翌18日、私はいつものように学校へ行くと、クラスメイトで親友の美鈴に昨夜の出来事を話した。すると美鈴は目を丸くして驚いた。
「ちょっと、マジ、彩香。それ、やばいよ。学校にバレたら退学ものだよ」
「大丈夫だよ。私はあんた以外には誰にも言わないし、あんただって言わないでしょう」
「そりゃあ、私だって黙ってるけどさあ」
「だったら、バレっこないじゃん。まあ、先生がお客さんとしてティックリラに来たりしたら話は別だけど」
「先生がお客さんとして来るって、あんた、まさか続けるつもりなの、そのバイト」
「うん。今度は22日の月曜日に出ることになってるわ」
「よしなよ、そんなの。もう、怖い」
「どうして? 気持ちいいことされて、お金がもらえるんだもの、こんなおいしいバイトないじゃない」
「知らないわよ、どうなったって」
「大丈夫、大丈夫」
 それから週に一回から二回のペースで、私はティックリラのSMショーに出演した。そしていつもうっとりとして、オマンコをびしょびしょに濡らした。
 12月になると、そんな私に、谷本が「本当に濡れるM女」というキャッチフレーズで売り出そうと言い出した。
「ショーの後で、何人かのお客さんに実際にオマンコを触らせて、本当に濡れていることを確かめさせるんだ」
 えっ、そこまでやるの?
 私は顔が引きつった。しかしティックリラでは、谷本が発案してリサが賛同すれば、すべてが決定された。
 かくして私は、不特定多数の男女に、びしょ濡れのオマンコを触られて嘲笑される身へと堕ちていくことになった。わずか17歳にして。
 しかしそういう恥ずかしいこと、惨めなこと、情けないことを強制されているという状況設定に、私は性的に興奮する性質だった。表向きはいやいやと思いながらも、心の奥底では淫靡な喜悦をひしひしと味わってもいた。
 そして客にオマンコを触らせるようになってから、一回の出演料は3万円から5万円に跳ね上がった。
「うわっ、本当に濡れてる」
「変態だわ、この子」
 などと客にからかわれて、恥ずかしく惨めで情けない思いをしながら。
 また、その頃、ティックリラでは興味津々で注目されていることがあった。12月25日に、日本SM連盟の主催で、渋谷で全国SMグランプリなるものが開催されることになっていて、ティックリラから誰が出るかということだった。S役はすでにリサに決まっていた。問題はその相方のM役が誰になるかということだった。
 私は最初から自分には関係のない話だと思っていた。まだティックリラに入って一ヶ月にもならないし、ステージもほんの数えるほどしか出演していない。そんな私がティックリラを代表してそんな大きな大会に出れるはずがない。
 ところが12月17日、金曜日、楽屋でリサが唐突に私に言い出した。
「来週の全国SMグランプリには、私の相手役であんたに出てもらうわ」
「えっ、そんな、ご冗談でしょう。私なんてまだ素人も同然だし」
「嫌なの、私の相手役が」
「いえいえ、とんでもないです。リサ女王様の相手役なら喜んでさせていただきます。でも本当に私でよろしいんですか。他にも、例えば美咲さんとか、ベテランのM女さんがたくさんいらっしゃるのに」
「ううん、私はあんたに出てもらって、濡れてもらいたいの。奴隷のオマンコを本当に濡らせるなんて女王様冥利に尽きるもの。そしてあんたのびしょ濡れのオマンコを審査員にも触らせてあげたいのよ」
 リサ女王様はいったい何を考えていらっしゃるのだ。
 それが私の最初の率直な感想だった。そして私はその足で、日本聖公会の横浜山手聖公会という教会に走った。
 実は、その年の4月頃、再放送されていたテレビアニメ『ラ・セーヌの星』を見て、カトリックに感化された私は、学校の近くにある山手カトリック教会に通い始めた。主日ミサはもちろんのこと、聖書研究会やその他教会の行事にはすべて顔を出していた。


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