恋人達の悩み6 〜桜、舞う〜-1
三月末日、夜。
家には誰もいないため、美弥と龍之介は高崎家にて熱い時間を過ごしていた。
「っふ……ん、あ、んんん……!」
汗ばんだ体を絡み付かせ、美弥は腰をくねらせる。
今は胡座をかいた龍之介の上に跨がり、泥沼よりもぬかるんだ秘所で、弾けてしまいそうなくらいに硬い勃起を愛撫していた。
「んぁ……!あ、ふうぅ……!」
美弥は腰を回転させるようにして剛直を肉壁に擦り付け、奥まで飲み込んで快楽を味わう。
白く泡立った愛液が溢れ出し、周辺に飛び散っていた。
「は……は……ああっ!」
急に首をのけ反らせ、美弥は喘ぐ。
龍之介が背中に手を回して体をホールドし、乳首を口に咥えたのだ。
「りゅうっ……あ……!」
ぷるぷると、美弥は首を振る。
舌先で舐め回したり唇で吸い立てたり、はたまた手の平で揉み捏ねたり。
両の乳首を嬲る度に秘道がきゅうっと肉棒を締め上げるため、龍之介は眉を歪めた。
「はぁ……っ!」
龍之介の手が、背を撫で下りて腰骨をくすぐる。
美弥は腕を龍之介の首に回し、安定を得た。
豊かな乳房に顔を潰されて少し息苦しいが、龍之介は愛撫を続ける。
「あっ……!」
美弥は微かな……だが、なまめかしい声を上げる。
龍之介は腰を撫でていた手で、美弥の柔らかな尻肉を掴む。
たっぷりと揉み回してそのボリュームと肌の滑らかさを堪能した後、指先を結合部へと滑らせた。
「ふひゃあっ……!」
薄い保護膜に包まれた自身を触るのは避け、どろどろの愛液で濡れそぼった秘唇に触れる。
「やぁ、ん……!」
赤く腫れ上がった淫核をくすぐるように撫で回すと、なまめかしい声と共に肉壁が複雑にさざめいた。
「んはぁ……」
艶っぽい声を漏らした美弥は首を振り、龍之介の肩に手を置く。
そして腰を上下させ、再び快楽を貪り始めた。
目を閉じ、鼻にかかった甘い声を上げながら、夢中で腰を動かしている美弥。
龍之介は細っこい腰に手をやって支え、少しでも長く美弥が楽しめるよう手を貸す。
――久方ぶりの交わりは、美弥の理性をプッツンさせていた。
説明するために……時間を少し、遡る。
冬休みが終わったばかりの頃、美弥は龍之介から『春になったら両親が帰ってくる』と宣言されていた。
一時的な帰省などという話ではなく、赴任期間を終了したので帰ってくると。
つまりそれは、蜜月の終了を示唆している。
ほぼ毎週末の愛の巣と化していた、高崎家。
それは二人の関係に理解と賛成を示す竜彦が家を空けてくれていたからこそ、実現可能だった技だ。
高崎家は、春から一般的な状態に……特に何かがない限り、専業主婦の巴が家にいる状態に戻る。
さすがにそれでは、家のあちこちでいちゃつける訳がない。
特に龍之介の部屋だとかお風呂場だとか、たまには居間などで爛れた情交を繰り広げる事は、もう許されなかった。