星を数えて act.3-3
よりにもよって、相手が崇なんて……
そう思ってちらっと崇を見ると、友希さんを抱きしめていて。
耐えろ、深呼吸よ叶。
ぎゅっと瞳を閉じて、もう一度彼を見た。
そしたら彼は、にやりと口角をつり上げて笑っていて。
悔しくて腹が立つ。
反応を見て楽しんで笑うなんて。
「じゃあ、帰るね」
店長によろしくね、と言って友希さんは崇に肩を抱かれながらコンビニを後にした。
もう雨はやんでいて、夏の日差しが雲間からさしこんでいた。
「お疲れ様でしたー」
帰り道、私は店長からもらったお弁当とみずたまの傘を持って歩いていた。すっかり日は暮れて、雨のお陰で空は澄んでいて、いつも以上に星が瞬いている。
「流れ星でも流れないかなぁ」
のんびり空を見上げながら、一人しゃべる。相変わらず、星はきらきらと自身を光らせている。なんて刹那。
「お願い、一度だけでいいから」
流れ星よ 流れて
ひとつしか叶えてほしいことはないから。
お願い神様。