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ゆえとナオさん part2
【同性愛♀ 官能小説】

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第4話-1

ナオさんのレースの前に、同じコースを山歩きします。
全長約60キロで、3日間かけて歩きます。道具はレンタルしてきました。
ホテルで準備をしながらナオさんに聞きます。

「ナオさん、どうして山歩きのことをトランピングって言うんですか?
トレッキングじゃないんですか?」
「これ最高におかしくて、イギリス英語だと、ルンペンとか放浪者の意味があるの。
トレッキングでも通じるよ」
「えええ」
「シャワーも浴びずに、3日も4日も山歩きするから、そんな感じになっちゃうのよね。
ゆえは男の人には近づかないほうがいいよ」
「そ、そうします」



朝に、町から車で、トラックの入り口まで送ってもらいます。
湖沿いに森の中を歩いてから、山道を上がっていきます。
巨大な松ぼっくりが落ちています。ソフトボールくらいあります。
「とりゃっ…」
美さきちゃんが面白がって、けっとばしています。
「日本と違いますねー」
「頭に落ちたら怪我するね。松ぼっくり爆弾だね」
「ひええ」

山道を登っていくと、木がなくなって空が広くなります。
ふりかえると、湖が見えて、私たちが滞在している町が見えます。
遠くまで良く見えます。
さらに歩くと、今夜泊まる山小屋が見えてきます。
「大きな山小屋ですね」
「まずは寝床を確保しよう。一日に入山する人数をコントロールしてるから、
パンパンにはならないけどね」
「へー」
「屋根にオウムがいる…」
「ほんとだぁ、人間を怖がらないね」
「ケアは頭がいいから、イタズラするわよ」

二段ベッドに寝袋を広げます。ブ厚いマットが敷かれているので、寝心地良さそうです。
美さきちゃんは早速、探検に出かけます。

「電気は無いけど、ガスコンロがあるんですね」
「水道もあるけど、みんなで使うから大切にしないとね。
山歩き一日目だから、鍋料理の材料くらいは背負って歩けるかもね」
「なるほど」
「私たちは果物とパンと、お湯で戻すフリーズドライよ。
ま、食後にみんなでお茶して、話をするのが楽しいのよ」
「はい」

美さきちゃんが戻ってきます。
「オウムに枝、おとされた…」
「えーっ、頭がいいなぁ」
「あはは、美さきは小さいから、からかわれたのよ。ほおっておきなよ」
「あんにゃろう…なまいきだ…」

夜はめいめいお話をします。
お茶を飲んだり、大人はお酒をちびちびしています。
NZはワインがおいしいそうで、ナオさんもいつのまにか持ち込んで、
同い年くらいの人たちと楽しそうにお話ししています。

美さきちゃんは山小屋で人気者です。子供だし、美人ですから。
もともと口数が少ないし、読心術みたいなことができるので、
英語にも困っていないようです。
東洋人の子供が珍しいのか、私もよく話しかけられます。
なんとか英語で話をします。若い人も、おじさんおばさんもいます。

「ナオさんの英語と違って、聞き取りにくいですねぇ」
「そうね、訛りが強いからね。ゆえに教えているのは英国式だし、
ゆえは丁寧に話すから、聞き取り易いはずだよ。
こちらのお年寄りの言ってることなんか、私でも苦労するよ」



山歩き二日目の朝、出発の準備をしていると、
ギャーッ!!ギャーッ!!
山小屋の外で鳥の叫び声がします。
「なんだ?なんだ?」
ナオさんと外に出てみると、美さきちゃんがオウムを捕まえています。
「つっ、つかまえた…」
「あぶっ、あぶないよっ!」
オウムは必死になって、口バシと脚を振り回して暴れています。
美さきちゃんは、うまいこと後ろから持ち上げています。
「美さき!離してあげな!」
美さきちゃんがパッ、と手を離すと、
オウムはギャアギャアと文句を言いながら飛び去りました。
「あぶないなぁ。どうやって捕まえたの?」
「後ろからしゅって…」
「ええーっ!素手で?」
「やるわね」
「やるわねって…叱らないんですか?」
「失敗すれば自分が痛い目合うんだから。子供はいたずらするものよ」
「さては、ナオさんもやりましたね」
「さー、今日も歩きますよー」


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