8-2
「もしもーし!元ちゃん?」
「うぃっす。今電話大丈夫?」
「うん。お昼休中だからね。どしたー?」
「絢、明日から面会出来るってさ」
「...ほんとに!?」
「うん。さっき病院から連絡あった」
「.......やった.....よかったね....元ちゃん....」
電話越しでも伝わる。
美帆は声を詰まらせていた。
絢の事を本気で想ってくれる女性。
元は改めて美帆を愛しいと感じた。
「明日は俺一人で様子見てくるよ。元気そうだったらさ、改めて二人で行こう」
「うん!」
「あ、あと今日は鉄弥と暁生の家に泊まるね。誠が面会出来るらしいからさ、病院行ってそのまま行くことにしたからさ」
「うん。でも誠くんも面会出来るようになってほんとよかった!また男だけで、馬鹿なことばっかやらないでよー?」
「大丈夫。意外と真面目な集まりだからさ」
美帆の言葉に元は内心焦った。
電話越しなので適当に誤魔化したが、暁生達と集まる真意を美帆が聞いたら、きっと怒るし止められるだろう。
美帆との約束。
今は考えないようにしていた。
「みーちゃん、明日絢の病院行ってから家に行っていい?」
「もちろん!絢ちゃんの事も聞きたいしね!」
「うん。ありがとう」
「なんか改めてお礼言われると照れるんですけど....」
「ははっ。...みーちゃん」
「なーに?」
「好きだよ」
「あっ.....うん。私も、好きだよ。.....急にやめてよー照れるからっ」
「ははは。じゃぁまた連絡するね」
「うん!ばいばーい」
電話を切った元は、正門へと急いだ。