薄暗い部屋の中で-3
母は聡美が大学生の時に亡くなった。
親子であってもいつかは死によって別れなければならない日が来ることは理解していたが、もう少し一緒に居たかった。
お別れするには早すぎると思った。
そうしたことから、その時に母から受けた浣腸は母と過ごした短い時間の中で起きた聡美にとっての貴重な思い出になっていた。
それはちょうど初潮の時だった。
中学に入り、制服で通学する新しい生活にやっと慣れ始めた頃に起きた自分の身の変化に、驚きと戸惑いを覚えた。
その心理状況は微妙に身体に影響を及ぼし、便が聡美の腸内で何日間も歩みを止めてしまったのである。
母は、食欲が急に落ち顔色も悪い娘にさりげなく尋ねた。
すると、娘は何日間も便秘して苦しんでいることを不安げに打ち明けた。
母はそれを聞くと、他の家族には知られないよう気を使ってくれた。
「あらまぁ、そうだったの…。ねぇ、ちょっとこっちへおいで」
聡美が母に近づくと、母は内緒話をするように耳元に顔を寄せ、そっと話しかけた。
「あのね…」
それは、普段は物置と化しているあまり使われていない部屋に後で来るようにという指示だった。
その部屋で聡美は母から浣腸を施してもらったのである。
家族に知られないように母と二人で隠れた物置部屋は、ちょうど今の救護室と同じような状況だった。
「そういえば、あの時も夜だった…。物置部屋の灯りも、今と同じように薄暗かったような気がする」
聡美のおぼろげになりつつあった中学1年生当時の記憶がはっきりと蘇ってきた。
初体験でどうすればよいか分からない聡美に、母は一つ一つ手ほどきをしてくれた。
下を全部脱いで横向きになり、突き出すようにして尻を母に差し出したのであった。
ちょうど今と同じように。
「だいじょうぶよ、心配しないでね〜」
母は怖がらせないよう娘に声かけしながら、まだ大人になり切れていない小ぶりの尻を開いた。
聡美にとって生まれて初めてのその体験は、少女から大人の女へと成長したばかりの自分と母とで、秘密に行う女の仲間入りの儀式のようにも思えた。
まだ幼さの残る娘の尻穴から母親の手により愛情が注ぎ込まれる。
同じ空間と時間を共有する母と娘の神聖な儀式は、なにか特別な意味合いを持つ不思議な雰囲気に包まれていた。
母の愛情が込められた浣腸液は娘の腸内で威力を発揮し、下腹で詰まっていた黒い硬便を排出させることに成功した。
母は、トイレから出てきた照れくさそうな聡美の表情を見ると、娘に排便があったことを知り微笑んだ。
その後、母は聡美のためにホットミルクを作ってくれた。
「これで、お腹が動いてくれるといいわねぇ」
そう言われて差し出されたホットミルクを一口飲むと、少し元気になった空腹の胃に白いホットミルクが広がった。
聡美は、台所に立つ母の背中を見ながら飲んだその時のホットミルクのぬくもりを思い出し、甘酸っぱい気持ちになった。
佐和子が聡美の小さめのショーツをめくるように下げると果実が現れるように丸い尻の肌が露わになった。