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ヒプノ・フラッシュ
【SF その他小説】

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15才の少女-2

「先生は確かに体は大きいけれど、マッサージはそんなに力を入れないです。

優しく揉んでくれるから、ついつい気持ちよくて眠ってしまうくらいですから」

私はヒプノフラッシュを光らせた。そして演技をした。

「あれれ、ペンライトを使おうとしたら球が切れたかな?」

如月警視に今の光を誤魔化す為にそう言ったのだ。そしてすぐ導入を始めた。

「尚美ちゃん、このペンライトの先をよく見て、この先を見てると心の深いところに入って行くことができます」

もうフラッシュで既に催眠状態に入っているのだから、こんなことは必要ないのだが、ヒプノフラッシュのことは秘密だと言われていたので回りくどいことをしている。

「尚美ちゃんあなたは整骨院のマッサージコーナーにいます。

橋爪先生は尚美ちゃんが気持ちよくウトウトしているときに何か喋りませんでしたか?」

「はい、力が抜けて行って、とってもいい気持ちになるって」

「その他は、他にも何か言ってませんでしたか?」

「はい……ええっ?! そ……そんなぁ……」

「尚美ちゃん、大丈夫です。あなたは強い子です。橋爪はなんて言ったんですか?」

「整骨院が閉まった時間に後でこっそり裏口から入って来いと言いました。

でも今言ったことは忘れる。

裏口から入って来たことも、それからのことも、また裏口から出て行くまでお前は何も覚えていない。

そ……そう言いました」

ガタンと椅子から立ち上がる音がした。如月警視が部屋から飛び出て行った。

彼女が他の刑事に大声で言っているのが聞こえる。

「下川刑事、至急橋爪整骨院の院長を重要参考人として連行しに行く。

体が大きい男だから応援を5・6人連れて行くぞ」

私は、今のことを忘れるように健忘暗示をかけて尚美を覚醒させた。

橋爪の家宅捜索をしたところ、今まで彼の毒牙にかかった女性が辱められている動画のDVDが大量に発見された。

その後私は警察の捜査に協力した者として感謝状を貰った。

そして展望台に現れた催眠術師と橋爪は同一人物だということも後でわかったのだ。

 


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