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淫靡眼
【その他 官能小説】

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その(二)-3

 部屋にはクーラーが効いていた。
「涼しい」
「冷やしておいたのよ」
舞子は窓から外を眺めて振り返った。
「ここからだと遠くまで見える。誰か来たらわかるわ」
 高台の上、視界を遮る森や林がない。ブドウや桃の畑が広がっている。遠く夏の日差しに白っぽく光って見えるのは甲府の市街地であろう。
「よく見えるね」
なるほどと思いながら、さっきみたいに抱き合っていたら表を確認するなど無理なことだった。

 ふたたび一体となって上になったり下になったり部屋の中を転げ回った。キスをして密着してもがき合う。夢中になってその繰り返しであった。
 舞子の脚が股間に入ってペニスをぐいぐいと圧迫する。
「舞姉ちゃん、ぼく、出そう」
二人とも汗まみれである。
「待って…」
舞子はよろよろと起き上がって抽斗の奥から何やら取り出し、
「はい、スキン」
手渡されてコンドームのことだとその時知った。友達が持ってきて見たことがある。

 舞子はスカートを脱ぎかけて、じっと見ている私に気づくと、
「脱いで。一緒によ」
怒ったように促した。

 五月にペニスを握られて射精まで見られているのだから脱ぐことにためらいはなかったが、すんなりといかなかったのはスキンである。かぶせることはわかっているが簡単にはいかない。
 装着に手間取っていると過敏な先端がぴりぴりと感じて下腹部に波が打ち寄せてくる。
「丸まってるからするって伸ばせばいいのよ」
舞子が覗きこんで言う。
 慎重に少しずつ引き延ばし、ペニスがピンクの衣に覆われ、ぐんぐんと天を目指す。
「勃起だね」
しらっとして言っているようで、舞子の顔は紅く火照っていた。

 舞子が仰向けになって脚を開く。
(黒い…)
初めて秘部を目にした印象である。漆黒の陰毛に被われた股間。窓からの陽光に光ったのは汗だったのか愛液だったのか、その時の私に判るはずもない。
 舞子にも恥じらいがあったものとみえる。脚の開きが狭く、裂け目は隠されたままである。

「舞姉ちゃん…」
にじり寄って、太ももに触れる寸前まで接近して私は助けを求めた。どこに『挿れる』のか、わからなかった。
 舞子は顔を起し、
「ぐっとくればいいの」
それは助言にはなっていなかったが、舞子がさらに股を広げたことで、ねちっと音を立てて割れ目が現れた。
(ああ…これがオ○ンコだ…)
何度妄想したことだろう。狂おしく思い描いたことだろう。
 その様相は衝撃的であった。周囲を陰毛に囲まれた赤い裂け目。舞子の体の一部でありながらまったく別の物のように思えた。

 限界が間近に迫っていた。腰を突き出し、焦って押しつけた位置は偶然陰口に嵌まり、前のめりになると確かな挿入感があった。
(入る)
圧迫が広がって、舞子の上に倒れるようにかぶさった。下半身に熱波が散った。
「あうっ!」
舞子の歪んだ顔が見えた。
「舞姉ちゃん!」
私が叫んだのは歓喜の瞬間であった。
「ああ!出ちゃう!」
「達也!」
呻きながら呼び捨てられた自分の名前。それを聞いていっそうの快感が貫いた。

 私たちは互いの鼓動を聴きながら抱き合っていた。
呆然としていたのはどれくらいだったろう。余韻も遠のき、ペニスも抜けて結合も解けたのに動けなかった。


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