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『桃子記念日』
【痴漢/痴女 官能小説】

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『桃子記念日』-3

『間もなくドアが開きます、ご注意ください』
「さあ、桃子。ここで、降りないと」
 何事もなかった風に、宗佑が桃子の背中を押すようにして、目の前で開いたドアを通って、駅のホームへと足を運ぶ。詰まりに詰まった車内とは一線を画する、閑散としたそのホームに降り立ったのは、桃子と宗佑だけであり、訝しげな視線がいくつも、二人の背中に投げかけられた。
 もっとも、すぐにドアが閉じ、電車はホームを走り去って行ったから、ここで降りた二人のことを、これ以上詮索する声などに意味はなかった。
「桃子、何処に行きたい?」
 まるで、この駅が目的地であったかのように、駅員がひとり立っている改札を抜けながら、宗佑は従妹にそう問うていた。
「………」
 かたや桃子は、まだ収まっていない絶頂の余韻を、足首まで垂れ落ちている透明な愛蜜で表しながら、夢うつつの状態から醒めていない様子だった。
「行きたいところは何処だ?」
「………おトイレ」
 もう一度、問い直してきた宗佑に対して、パンツを穿いていない股間をびっしょりと濡らし、足首のソックスにしみ込むぐらい、太股の内側に垂れ痕をつけている桃子は、行きたくて仕方がない場所を、ささやくように従兄に対して告げた。
「トイレ、か……あそこにあるな」
 駅舎を出たところで、男女共用と思しき、古めかしい概観の小さな公衆トイレが目に入る。
「ここで待っているから、桃子、いっておいで」
「………」
 だが、宗佑の言葉に、桃子は明らかな不満の色を貼り付けていた。
「どうした? オシッコしたいんじゃないのか?」
 トイレといえば、用を足す以外に用事はないはずだ。しかし桃子は、尿意を我慢している切迫性を感じさせない様子で、それでも、太股を捩り合わせる媚態を宗佑に見せている。
「あ、ああ、すまないな。したいのは、“おおきい方”だったか」
 全く人気のない周囲に対して、それでも、デリカシーのないきょうだいの姿を宗佑は装っているようだった。
「おにいちゃんの、ばか。わかってるくせに……」
「ん? なにをだ?」
 桃子が俯きながら、か細い声で言う。しかし、それも聞こえない素振りで、宗佑はあくまで、“きょうだい”という擬態を崩さない。
「いっしょに、きてよ……」
 そういって、宗佑の裾に取り付く。太股を捩る動きを止めない桃子は、もう、我慢が利かないのだ。
「……わかった。しようのない子だ」
 傍目にはとても面倒見の良さそうな“兄”の笑顔を、宗佑は桃子に対して、見せていた。

 古めかしい概観とは違い、個室の中は意外と清潔な装いだった。中にある便器も洋式のもので、ウォシュレットこそはついていなかったが、便座をきれいにするための、アルコール洗浄液とウェットティッシュが、別の台座に常備されていた。
 桃子に座らせるその場所を、宗佑は消毒し洗浄した。
「ん……は、ん……」
 桃子はそれを見ながら、すでに、潤いが最高潮に達している秘処に指をあてて、ひとりで自分を慰め始めていた。
「みっともないぞ、桃子」
「だ、だって……」
 とにかく、もう、我慢できないのだ。
「さあ、ここに座りなさい」
「う、うん」
 促されるまま桃子は、便座に尻をつけ、おもむろに両足を持ち上げて、踵を便座の最突端内側に引っ掛けた。
「………」
 パンツを穿いていないので、必然、股間に潜んでいる桃子の“女の部分”が、宗佑の目の前で丸見えになる。
「すごいな」
 宗佑のつぶやきに、桃子は少しだけ、頬を紅く染めた。
「ドロドロのベトベトじゃないか」
「おにいちゃんの、せいだよ……」
 エクスタシーに辿りつくほど、電車の中で弄られたのだ。その後始末が出来ていない今、桃子の股間の惨状は、筆致に耐えない状況だった。
「毛はなくても、痕がぷつぷつしているな」
「そ、それも、おにいちゃんの、せい……」
 昨夜、熱く交わる前に、剃刀とシェービング・クリームを使って、きれいさっぱり“剃毛”されたのだ。遠目には“つるつる”に見える桃子の股間だが、近づいてみると、剃刀で均されたため、その毛先が宗佑の言うように“ぷつぷつ”としていた。
 そしてそれは、桃子が今日、パンツを穿かないことになった原因でもあった。
『パンツ穿くと、なんだかアソコがチクチクする』
『そうか。なら、穿かなければいいんじゃないか』
 ちなみにこれが、今朝交わされた“きょうだい”の会話である。


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