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『桃子記念日』
【痴漢/痴女 官能小説】

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『桃子記念日』-21



 …話は“現在”に戻る。
「あっ、あぅっ、あ、イ、イクッ、イクゥぅぅっっ……!!」
「くっ、桃子……!」

 どびゅる、びゅるびゅるっ、びゅるるっ……!

「は、ぅっ、あっ、あついっ……お、おにいちゃんの、いっぱい、きてるぅっ……!」
 宗佑に背後から覆い被せられ、胎内を遠慮呵責なく貫かれ、共に絶頂に達した桃子は、中に浴びせかけられている命の奔流に、恍惚となっていた。
 …二人はまだ、降りたところの駅にいた。しかも、再び公衆トイレの中に二人で入って、今度はそのまま性交を始めて、最後まで到達してしまっていた。
 次の電車が来るまで、と、寝不足気味の宗佑に肩を貸して、眠らせてあげるまではよかったのだが、桃子も一緒に転寝をしてしまい、二人が目覚めたときには、待っていたはずの電車はもう行き過ぎてしまっていた。
『ご、ごめんなさい、おにいちゃん』
『まあ、しかたないさ』
 行ってしまったものは、もう、どうしようもない。
『………』
『桃子?』
 桃子はどうやら、猥褻な夢を見ていたらしく、股間をムズムズさせながら、甘い汗のにおいを漂わせていた。
『………』
『あっ、お、おにいちゃん!?』
 その匂いに興奮を募らせた宗佑は、桃子の手を少し乱暴につかんで、引っ張るようにして、外の“公衆トイレ”に連れ込んだ。
『桃子……ぐしょぐしょじゃないか』
 連れ込むなり、スカートの裾を持ち上げると、綺麗に拭いたはずの桃子の股間は、またしてもびしょ濡れになっているという始末であった。
『む、昔の夢、見ちゃったから……』
『実は、俺もなんだ。だから、桃子、しよう』
『……う、うん!』
 その流れで二人は、トイレの中でおもむろにセックスを始めた。冒頭は、そういう顛末の結果によるものである。
 トイレの中に濃厚な雄雌の匂いを残して、二人は個室の外に出た。桃子の足元が、かなり内股になっているのは、中に出されたものを、零さないように必死になっているからだろう。
「あっ……!」
 それでも辛抱できなかったようで、桃子の股内を、粘りついた雫が伝い落ちた。くどいようだが、彼女はいま、パンツを穿いていない。
「お、おにいちゃんの、が、漏れてきちゃうよぉ……」
「我慢しなくていい。それに、電車はもう使わないでおこう。シートを、汚してしまうだろうからな」
「う、うぅぅ……」
「ちょっと歩くか」
「えっ、あ、う、うん……」
 駅舎を素通りして、二人は手をつなぎながら、線路沿いの道路をあてどなく歩き始めた。
 うららかな日差しの中を、二人は仲良く歩いている。ただし、桃子の股間は、宗佑が中に出した精液が漏れてしまって、大変なことになっていたが。

 びゅう…

「あっ」
 不意に、一陣の風が強く吹いた。それは、桃子の短い丈のスカートを、ものの見事にひらめかせ、何も穿いていないその股間を顕にした。
「!!??」
 スポーティな自転車で二人の横を通り過ぎようとした青年が、あきらかに“驚愕”といった表情を貼り付けて、一目では信じられないものをもう一度確かめようと、振り返ろうとした。

 がしゃーん……

 そして、何かにぶつかった音を立てて、可哀相にも横転していた。


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