夜中に目覚めて-3
何だって? キスには違いないからAはまだ終わってないって?
いやいやいや。舌を絡ませるって奴はかなりヘビーだぞ。ハードだよ。
そんなことしたら感じてしまって、最後まで行くかもしれないぞ。
えっ、そんなことさせないって? したら殺すって?
じゃあ、何故それをする必要があるか言ってくれよ。
キスはチューッて吸ったり、舌を絡ませたりすることがある。まあ、そうだが。
本当に好きな相手にそれをされたとき、気持悪くなったらどうしようって?
だから好きでもない俺にされて大丈夫なら将来安心だって言うのか?
だけど気分に乗ってしまうぞ、そんなことしたら。なに?
少しくらい気分を出しても構わないってか?
お互いやってみて気持ちよければ、目を閉じようが声を出そうが構わないって?
それでキスは絶対大丈夫という自信がつくって言うのか。
だけど正直に言うけど、実は俺さっきのキスで感じてしまって、その…。
えっ、知ってたって。パジャマの下が膨らんでいたから分かったって?
恥ずかしいな。えっ、お前も感じてたのか。少し濡れたって?
だけどそれは良い傾向だと言うんだな。健康な性欲を感じてる証拠だってか。
まるでお前はドクターかカウンセラーだな。
じゃあ、そのフレンチキスを一緒にしよう。将来に自信をつけるために。
わかってる。その先は進んだら駄目なんだろう?
うっ、顔が近づいて来た。大きな目だな。閉じたか。あっ、口を開けた。
息が流れ込む。鼻息も荒い。俺もだ。うわーぁぁ、理性が飛びそうだ。
舌が絡んで来た。唾液の味がする。これは刺激が強い。こ……声を漏らしてる。
でも不愉快でない。気持ち良い。鼻息がお互い荒い。
そうか口が塞がっているから鼻で呼吸をしてるんだ。もう駄目だ。タイム、タイムだ。
というか、俺トイレに行って抜いて来る。もう我慢できない。
多分、俺もお前ももう大丈夫だ。きっと好きな人と最後までできる。
なに? 抜くのはやめろって?
もう、禁止しないからやれるところまでやってみろって?
な……なんだ、それ? コンドームか? それを嵌めるのか。えっ、ぬ……脱ぐのか?
うわーぁ、お前の裸が眩しいな。俺も脱ぐのか。わ……わかった。
じゃあ、もう一度抱き合ってフレンチキスだ。肌と肌が直接触れて電気が本当に流れている。
おい、春香。お前嫌でないのか? 今のところは大丈夫だって?
だけど途中で嫌になったときは言うからやめてくれって? それも辛いが、わかった。
これは2人だけの秘密だ。じゃあ、俺はお前の胸に顔を埋めてみる。嫌か?
「大丈夫だよ、松原。まだ大丈夫。いま僕はお前の頭を撫で回してるけど、これは?」
ああ、全然平気だ。気持ち良いくらいだ。もっとやってくれ。
じゃあ、ちょっと乳首をキスするぞ。舌先でチョロチョロとか。
「あっ、うふん。き……気持ち良いよ、松原。僕、雲の上にいるみたいだ」
そうか、俺は下半身が痺れて心臓が破裂しそうになってるよ。
もちろん気持ち良いんだ。俺にはお前が天使に見えるよ。
「あっ、今僕のお臍を舐めてるね。脇腹とかも。感じるよ。濡れてきたよ」
髪の毛とか耳を触り捲くってるな。全然平気。っていうか良い気持ちだ。
お前の指は妖精の指先だよ。触るものに電気を流してるみたいだ。
それが下半身にまで伝わって甘く痺れるんだ。
「そろそろ気をつけてほしいんだ。股の方に近づいてきたろう?
連れ子に触られたところだから。拒否反応があるかもしれない」
どこまで触られたんだ? クリトリスか? じゃあ、手で触らずにキスしたらどうだ?
「そうだ…・・・ね。
あいつは指で触ったから、同じじゃその時の記憶と重なる気がする。
でも口でするなんて、松原に悪いよ」
そんなこと気にするな。
俺はずっと女のこの部分がなんか別の生き物みたいで恐ろしかったんだが今は違う。
不思議だが春香のだと思えば気持悪くないぞ。じゃあ、ちょっと舐めてみるぞ。
「あっ、つ……強い。もっと優しく舐めて。でも松原にされると気持ち良い」
本当か? 無理してないだろうな。嫌ならいつでも言ってくれよ。じゃあ……。
「あっ、あっ、あっ、うぅぅぅ……ふぅぅぅん……い……逝きそう……」
えっ、逝ったのか? それじゃあ、もう大丈夫だな。
なんだって? そいつにあそこにも指を入れられたって? 詳しくは覚えてないのか。
えっ、何を言ってるんだ。スキンをつけて入れてくれって? 危険だぞ。
間違ったら一生の心の傷になるかもしれないんだぞ。