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あいかわらずなボクら
【青春 恋愛小説】

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VS欲望-5

アルバムを見てた時、昌斗のことには一切触れなかったはずだ。


なら、郁美が怒った理由は?


もしかして、石澤の写真で馬鹿笑いしてたのが気に入らなかったとか?


おそらくそんな些細なことでやきもちを妬いて、カーッと頭に血が上っただけかもしれない。


勢いだけなら、このまま引き返さないと。


俺は自分の中で答えを出すと、郁美の両肩を掴んで身体を離し、自分もゆっくり身体を起こした。


「お前さ、そんなに俺のこと疑わなくていいよ。大丈夫だって、もう泣かせないから」


そう言って郁美のサラサラの髪を優しく撫でた。


多分、前に俺が傷つけてしまったことで、不安になり信頼できなくなっているんだろう。


郁美が昌斗を変えてしまったように、俺もまた郁美を変えてしまってたのか。


傷つけるつもりでしたことが、まさかこういう形で自分の首を絞めることになるとは思わなかった。


「……ホント?」


ようやく郁美は落ち着いたようで、小さく呟いた。


「ああ、ホント」


ホッとして、親指で郁美の頬を伝う涙を拭う。


「よかった……。あたし、修がまた離れていっちゃうんじゃないかと思うと、すごく怖くなって……。あたし、修が好きになってくれるようにもっと努力するから。……だからもう不安にさせないでね」


郁美は涙で潤んだ瞳をこすりながら小さく笑った。


その弱々しい笑顔を見た瞬間、ドクンと心臓が跳ねた。


あんなに傷つけたのに、彼女は一切俺を責め立てることをせず、こんなに想い続けてくれている。


そんな郁美がたまらなく愛しく思えて、目の奥がジワッと熱くなった。




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