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『由美、翔ける』
【スポーツ 官能小説】

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『由美、翔ける』-14

「!!??」
 夢から、覚めた。
「な、な、んて、夢……!」
 その内容をはっきりと覚えていて、由美は、全身を汗に塗れさせながら、荒い呼吸を繰り返していた。
(お、おしりを、苛められて……勢い……あまって……)
 最後の一瞬を、由美は思い出す。
「!!??」
 慌てたようにその身を起こすと、すぐに右手を尻の間に埋め込んだ。
「…………」
 そして、安堵の息を零した。夢の中ではっきりと知覚していた“存在感”は、その部分に何も生まれていなかったからだ。
(よ、よかった……)
 もし、現実でもそんなことになってしまっていたら、とてもではないが、由美は生きていけそうもない。
「なによぅ……ゆみぃ……どうしたのよぅ……」
 由美にとっては天井になる、二段ベットの上部から、桃子の眠たげな声が聞こえてきた。
「ようかいちクンとぉ……ズコズコしてるぅ……夢でも見たのぉ……」
 寝ぼけている割には、ピンポイントな茶々である。
「………」
 “痴夢”を見たのに変わりはないので、由美は何も言えず、羞恥に顔を赤くするだけだった。それにしても、“八日市クンとズコズコしている夢”の方が、どれだけ健康的だったことか…。
「ZZZzzz……」
 言うだけ言って気が済んだのか、すぐに、桃子の健やかな寝息が、上のベッドから聞こえてきた。
(わ、わたし……)
 一方、身を起こしたままの由美は、心臓の動悸を抑えきれない様子で、息を喘がせている。
(ヘンタイ、なの……?)
 夢の中の出来事だったはずなのに、お尻を苛められた感触がしっかり残っていて、由美を激しく懊悩とさせた。
「………」
 秘処に、ヌメリを感じた。見ていた夢の内容を考えれば、その身体の反応は、やむをえないところである。
「わたし、どうかしてる……あんな……あんな、いやらしい夢を、見るなんて……」
 いつもだったら、トイレに足を運んで、濡れてしまった部位を慰めてから綺麗にするところなのだが、夢の内容があまりにも衝撃的だったために、由美は、呆然としたまま身動きが出来ず、そのまま夜が白むまで、見てしまった“痴夢”を何度も、反芻しながら脳内で繰り返していた…。


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