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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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-2

「なっさけなっ!!ぶちギレて勝手に飛び出しといてこの様かよ!!」

 大きい方の黒い影……スランがゼインの頭を踏み台にして高く飛び上がる。

「あはん♪ゼインも緊縛プレイ好きだったぁ?」

 もうひとつの小さい影はゼインの前にしゃがんで巨大な顔を覗き込んだ。

『グルルル(うっせ。パンツ見えてっぞ)』

「んふ♪何言ってんのか分かんなぁい♪」

 小さい影……カリーはきゃらきゃら笑って背後から迫ってきた触手をひょいっと避ける。

ズガンッ

『ギャウッ?!』

 カリーが避けたそれはゼインの目と鼻の先の地面に突き刺さり、ゼインはタラリと冷や汗を流した。

「やだ♪動けないゼインってゾクゾクするぅ〜」

『ガウ(いいから、早く斬れ)』

 緊縛プレイも放置プレイも、出来れば人間体の時にしたい。
 唸るゼインの言葉が分かったワケではないが、カリーは次々襲って来る触手を小刀で弾きながらゼインに巻き付いている触手も切っていった。

「邪魔をするな!小娘!」

 魔法使いはカリーに怒鳴って触手を吐き出す。
 口からは触手が出てるし、いったいどこから声を出しているのか……一瞬、不思議に思ったがここはスルーしておこう。

『グオッ』

 再び襲いかかろうとしたゼインにカリーが飛び乗り、どこから取り出したのか長い鞭をしゅるりと振るった。

「にょほほほほ♪私の足元にひれ伏しなさ〜い」

ピシィッ

 鞭は地面に叩きつけられ、鋭く澄んだ音をたてる。

「魔物と迎合するとは下衆の極み!!私が引導を渡してくれる!!」

 触手を吐き出しながら叫ぶ魔法使いだったが、その姿じゃ説得力が全くない。

「はあ?どっちが下衆よ!どっちが!そっちの方がよっぽどキモイわよ!」

 触手を避けるゼインの上から、鞭でそれを次々と叩き潰すカリーは嫌な顔で魔法使いに言い返した。

「その魔物の力、我が物にしてやる!」

 どうやらゼインの核を手に入れ、更に魔物の力を強力にしようとしているらしい。
 魔法使いはブツブツと呪文を唱え、男の前に巨大な魔法陣が浮かび上がる。


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