里美 第5話-2
「肩でも揉みましょうか?」
「えっ!うっ…うん、じゃぁお願いしようかな」
突然の里美の言葉に、義父は少しビックリしたみたいだった。
(おっきな背中)
里美は肩を揉みながら、あらためて義父の後ろ姿をじっくりと見た。
「なんか実家の父の肩をもんでいるみたい」
里美は実家に帰った時に父親に甘える様な自然さでそう言った。
「里美さんにそう言ってもらえると嬉しいな」
義父がうれしそうに笑いながら言った。
「これからはもっと甘えてくれると、私もうれしいよ」
「じゃぁ、甘えちゃおうかな」
義父のその言葉に、里美は調子に乗って背中に抱きついた。
「おっ…うっ、うんっ」
(いかんいかん、里美さんは息子の嫁だ……)
義父は背中にあたる里美の乳房と甘い香りに、戸惑いながらも久しぶりに股間が疼くのを覚えた。
「あっ、お義父さんごめんなさいっ。つい…」
里美は自分の思いがけない行動にビックリして身体を離した。
「いっ、いや、いいんだよ。私達には女の子ができなかったら、里美さんが実の娘みたいで可愛んだよ」
「あはっ、、、なんかうれしいな。ありがとうございます」
笑いながら振り返ってそう言う義父に、里美はかわいいなって思った。
それから数日、義父は忙しいのか、それとも義母とうまくいっているのか姿を見せなかった。
里美は里美で風邪気味だったのが、少しひどくなってその日はベッドの中でぐだぐだとしていた。
ピンポン ピンポン
(誰だろう?めんどくさいなぁ…)
里美はほっとく事にして、チャイムが何度か鳴るのを無視した。
「あがるよ、里美さん。大丈夫かい?」
玄関のドアが開く音がして、義父の声が聞こえた。
(えっ?。。。あの人カギをかけないで会社行ったんだ)
二階の寝室に上がってくる義父の足音を聞きながら、夫のだらしなさに里美はそう思った。
「えっ、はい。。。いますけど。ちょっと風邪で」
里美のその言葉が終るか終らないかの時に、もう寝室のドアを義父は開けて入ってきた。
「会社に行ったら、あいつが里美さんは風邪で寝込んでいると聞いてな。来てみたんだ、大丈夫かい?」
心配げに顔を覗き込みながら言った。
「えぇ、大丈夫は大丈夫なんですけど、少し熱があるみたいで怠くて」
「そうだな、少し熱っぽいね」
そう言う里美の額に義父は手を当てて熱をみた。