世界中の誰よりもいちばん-19
「心配するな? 何も仕返しに君の毛を剃ってやろうなんて事は思っていないから」
「はぅっ…… さ、さすがにそれはっ…………」
「はは、そうではなく、ちょっとした心理ゲームをしようかと思ってな……」
「げ、ゲームですか?」
「ああ、あくまでもゲームだよ…………」
秋子さんは少し意味深にゲームを強調したかと思うと、
突然僕の体を押し倒すようにベッドへと背中をつけさせた。
「とりあえず拘束まではしないが、両手を使う事が無いよう上にあげてくれるか?」
言われるがまま手を頭の上にあげる僕。
「足はそのまま伸ばしたままで…… そう、その体勢から決して動いてはならんぞ?」
張り付けとまでは言わないまでも、いかにも無防備なこの体勢。
このままじっと居続けるだけでも、何かしら色々試されているような気がする。
「そ、それで…… その…… これからどうすれば…………」
「なぁに簡単な事さ…… これから私が三つの道具を使って君をイかせるから、
君には後でそのなかのどれが一番気持ち良かったのかを教えて欲しいのだ」
「な、なんですかそれはっ……」
「うん? 心理ゲームだと言ったろ?」
「ゲームって………… そ、そんなんでいったい何がわかると…………」
「何が? その答えで多分君の知りたかった事がわかるだろうさ…………」
そう言うと秋子さんは、お喋りはここまでとばかりにそっと僕の唇を塞いだ。
柔らかい唇、熱い舌先、いつも感じているはずなのに不思議と今日は違った感じがする。
手をあげ自由を奪われているからか、はたまた目隠しで視界を奪われているからか、
何にせよ僕の感覚は、明らかにいつもと異なりすごく敏感になっているのがわかった。