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レイプ犯 湯島武史
【レイプ 官能小説】

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悪魂の結末-15

 そんな絵里から微かな声が聞こえた。
 「…とう…。」
 「え?」
聞き直す武史に絵里がもう一度言った。
 「ありがとう…。」
 「どうして感謝するんだ…?俺は何も感謝される事なんてしてないのに…。どうして…?」
 「だって…苦しむ私を助けてくれた…。苦しむ湯島君を助けられなかった私を湯島君は助けてくれたから…。」
 「そ、そんな事…」
絵里は武史に話し続ける。
 「私は教師になって分かった事があるの。よく悪い事をしたら罰が当たる…そう言うけど、それは罰という恐怖で悪い事をするのを抑制しようとしているにすぎないって。悪い事はする。誰でもしてしまう事。しょうがない事だと思うの。でもね、何かされたらやり返すとか罰が当たるとか、それは違うと思うの。悪い事をしたら謝る…、謝る事こそ大切だと思うの。因果応報じゃ憎しみしか生まれない。でも謝れば気持ちは伝わる。許してもらえないかもしれないけど、でも自分の謝罪の気持ちを伝えれば生まれるのは憎しみだけじゃない。そう思うの。さっき湯島君は謝ってくれたから罰なんて望まない…そう言ってくれたよね?私は嬉しかった。だから感謝したの…。」
 「絵里ちゃん…」
 「それに苦しむ私を助けてくれた。湯島君は悪い人じゃない。私は湯島君のしてきた事を聞いてショックだった。でも…でも…、それでも湯島君の事が…好き…」
微かに抱き返す絵里。
 (何なんだこの女…。かなわねぇじゃねぇかよ…)
絵里の大きさに完全に負けを認めた武史。
 (終わったな…全てが…)
もう武史に覆面は必要なくなった。
 「絵里ちゃんは、やっぱ優里とは違うよ。全然違う。全く違う人間だよ。」
 「そうかな…?」
 「ああ。絵里ちゃんみたいな先生の教え子になれたなら、きっと生徒は幸せだよ。」
 「そ、そうかな…?ありがと…」
 「いい子だ…ホント…」
 「ありがと…」
素直にありがとうと言える絵里が気持ちよく感じた。


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