歪な愛し方-3
「オレ、知ってるよ。お前が雅に惚れてたこと。夜な夜な雅の名前を呼びながらオナッてたもんな」
「…………!」
思いもよらない形で自分の気持ちを暴露された俺は、石になったように固まってしまう。
「ふ、風吹くん……」
雅の顔は、先程の責めで何度もイッたせいで赤くなった顔よりもさらに顔を赤くしていた。
縛られて剥き出しになった乳房すらも赤みがかかっている。
それでもまっすぐ俺を見つめてくれる瞳は、まるで俺に助けを求めているようにも見えた。
雅をオカズに自慰行為をしていた恥ずかしさ、後ろめたさはあったけれど、その視線を浴びていれば雅の気持ちが伝わってきた気がした。
「その通りだよ、俺は先生が好きだ! だから、こんな卑怯な抱き方するような真似、許せるわけねえだろうが!」
そう言って、俺は掴んだ胸ぐらに力を込める。
俺の気持ちを知っていながら、オモチャのように雅を弄んでいたコイツだけは許せねえ。
渾身の力を込めて、その整った顔をぶん殴ってやる、そのつもりで俺が拳を振り上げた、その時だった。
「雅さ、彼氏いるんだぜ」
一向に怯むことのない兄貴はニヤニヤしながら、俺を見た。
「え?」
「オレさ、お前のために色々雅について調べとこうと思ってたんだ。雅はいい教師になるよ、お前が何か悩んでるみたいだって相談に行ったら、すげえ親身になって話聞いてくれるんだ」
ふと緩んだ手から、兄貴はスッと逃れると縛られたままの雅の目の前に歩いていった。
ヒッと雅が恐怖で息を飲み込む。
そんな彼女の頭を優しく撫でながら、兄貴はさらに続けた。
「そうやって、ここでお前のこと話したりするうちに雅の恋愛話をするようになったりしてさ。それで彼氏がいるって知ったんだ」
「徹平くん、やめて!」
必死に首を横に振る彼女のことなどお構いなしに、兄貴は剥き出しの乳首をギュウッとつねった。
「あうっ!!」
痛みに雅の顔が歪む。そんな反応を確かめてから兄貴はゆっくりこちらを向いた。