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「誰?」から「彼」へ
【学園物 官能小説】

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「誰?」から「彼」へ-7

「や……あっ……あぁん!やあっ!ああっ!はあっ!」

肌のぶつかる音と自分の声に消されて、さっきのような生々しい水音は聞こえないが、このパンパンという音も相当官能的だ。

「綾さん……キッツ……。もう少し、足広げれます……?」

返事をする気力は無かったが、無意識に言葉に反応して足を開いた。
あぁ……もう、すごくいい。相性がいいって本当にあるんだなぁ……。あっ……だめっ……そこグリグリしたら……。

「んやぁっ!あぁっ!も……はぁっ!」

声が止まらない。いくら離れた場所にあるからって全く誰も通らないという保障は無いのに。
彼もそれを思ったのかわからないが、口を塞ぎ優しく私の舌を舐めた。私もごく自然にそれに答えた。
舐められたら舐め、吸われたら吸う。されたことを返してあげたい、と自然に思った。
……普通に順序が逆じゃん。しかもHされてそうなるってのも……はぁ。
身体は快楽にとらわれて自由がきかないのに、頭の片隅は冷静でそんなことを考えていた。

「綾さん……そろそろ、ヤバイかも……。出していいッスか…?」

唇を離して彼が言う。
ヤバイのは同じだった。息絶え絶えで口をきくのが億劫で、何回も縦に首をふる。

「……っああっ!!」

まさにラストスパートといった感じでスピードが段違いになる。その乱暴さの中にも、彼の顔を見ると愛しさを感じてしまう。
もうめっちゃ色っぽい……。この感じまくってるって顔。あたしもヤバイ。気持ちいい…っ。あっ!やだ!なんか……来る。わかんないけど……奥からなんか来る!?やっ……あっ……イク…?

「っはぁ……!」

その瞬間、彼が私の上に倒れこんだ。荒く息をして、汗ばんだ胸同士が貼りつく。
今……イキそうになってた?初めての相手なのに……。こんなことって、あるんだ…。
お互いの息だけが室内に響く。ボーッとして、頭がよく働かない。やがて、彼が起き上がって私に背中を向けた。色々と後始末があるのだろう。私は仰向けになったまま、まだ起き上がれないでいた。

キーンコーン…

チャイムの音で我にかえって起き上がる。

「うおっ。ビビった〜」
「今……何時?」

そう言いながら自分の携帯を見ると、今のチャイムが5時間目始まりのものだと知った。

「授業始まったんスか?」

彼がワイシャツのボタンをとめながら聞く。

「うん。でも次体育だから……絶対無理」
「まぁ、運動は十分しましたしねぇ」

そう言ってケラケラと笑う。

「あのね……。ていうか、山下くんはいいの?」

私も彼に背を向けて服を着ながら聞く。


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