『SWING UP!!』第14話-10
「あっ、せ、せいじ、さん、あっ……!」
葵の身体に、硬直が走った。浮き上がった“G”を執拗に攻められて、限界が一気に押し寄せたようである。
「………」
それを見越して、誠治は指の動きを止めた。
「えっ…やっ………!」
どうして、と、言わんばかりの反応を見せかけて、葵は言葉をつぐむ。
「うん? どうしました?」
わかっていながら、とぼけたように、誠治は言うのである。
「おや、葵くんの中が、ひどくビクビクしていますが……」
肝心の葵自身が、動きを止めている。
「わ、わかってる、くせにっ……!」
「? なんのことです?」
あくまでも、とぼける誠治であった。
「イ、イキたいんですっ! もう、イキたいのっ! んっ、あ、あなたの指で、“おま×こ”の、なかの、あんっ、き、きもちいいところを、ぐ、ぐちゃぐちゃしてもらって、そ、それで、あふっ、い、イカせてっ、ほしいのぉおおぉぉぉおぉぉっっっ!!」
その催促を引き出したくて、焦らしていたのだ。
「わかりました。……存分に、お往きなさい」
ぐりぐりぐりっ、ぐちゅぐちゅぐちゅっ!
「んひいいぃいぃぃっ、ひぁっ、ああぁああぁぁっ!!」
スクリューのように指がドリル回転をして、葵の中を蹂躙する。もちろん、その先は、はっきりと現出した葵の“G”を、突き貫いていた。
「あっ、イクッ、イクッ、イクゥううぅっ……!!」
「いいですよ、葵くん、もう、我慢しなくて、いいんですよっ……!」
指先を、葵の中に貫き突き刺しながら、誠治も興奮を高めている。
「たっぷりと往って、スッキリしてください……!」
ぐちゅぐちゅぐちゅっ、ぐりぐりぐりぐりぐりっっ!
「ひぃっ、イクッ、イクッ、イクッ、も、もうだめっ、イクううぅううぅぅうぅぅっ!!!」
びくびくびくっ、びくびくっ、びくんっ、びくんっ!!
「あ、あっ、ああぁあぁああぁぁあぁぁぁっ!!」
葵の腰が天井に向けて反り上がり、硬直した全身が一気にそのバネを開放したかのように、痙攣を始めた。
「お、おおっ……指を、しめつけて……!?」
ぶしゅ、ぶしゅ、しょあああぁああぁぁっ!
「わあっ……」
葵の陰唇から、水飛沫がほとばしり、誠治の顔面を直撃した。
(こ、これは、まさかっ……!?)
一瞬、快楽のあまり葵が失禁したのかと思ったが、無色透明でサラサラした感触は、あきらかに“おむつ”に沁みこんでいる黄色い液体とは違っている。
(し、潮……!)
誠治も初めて見る、“潮吹き”と呼ばれる女性の“射精”であった。そういえば、“G”がいわゆる“尿道海綿体”と言われている以上、“潮吹き”と連動している可能性が高いとは、彼が得た性知識にも書き込まれていることだった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「………」
性の高ぶりと呼吸を整える葵。自分が潮を吹いたことは、自覚していないらしい。“おもらし”と、勘違いをしても困るので、そのほうがいいだろうと誠治は思う。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
やがて葵の呼吸が落ち着き、浮き上がっていた腰が、そのまま布団の上に降りていった。
「スッキリ、しましたか?」
顔中に潮を浴びて、それでも、誠治はにこやかに、葵に問いかける。
「………」
両手で顔を覆ったまま、葵は小さく頷いていた。
「それじゃあ、今度こそ、綺麗にしなければね……そうだ」
誠治は、いいことを思いついたように、横になっている葵の太股と、肩脇に腕を差し込んだ。
「えっ、せ、誠治、さん……?」
「お風呂場で、綺麗にしましょう」
いわゆる“お姫様抱っこ”で、いとも簡単に葵の身体を抱えあげたのだ。痩身で、病身だった経験があるとは言え、その腕に込められる力は、かなりのものだ。
「恥ずかしながら、僕も、ずいぶんと汚してしまったのでね……」
葵の“潮吹き”を浴びた顔面のことではない。葵の痴態を見て、誠治の盛り上がった“雄峰”の先端から漏れ出た先走りが、トランクスに滲んでいたのだ。
「お湯を張りながら、シャワーで身体を洗って、そのままお風呂も一緒に入りましょう」
「は、はい……」
誠治の腕の中で、恥ずかしげに葵が頷いた。それを受けて、誠治はセパレートのバス・ルームに、足を運んでいく。
「あ、あの、“おむつ”の片付けは……?」
「あとから、あとから」
「はい……」
葵の“夜尿”を吸い込んだ、開帳されたままの“おむつ”を置き去りにして、二人はそのままバス・ルームの住人となったのであった…。