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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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学校に着くと、校舎の脇にある掲示板に新しいクラス割りが張り出されていて、人だかりができていた。


真っ先に土橋くんの姿を探すけど、どうやらそこにはいなかった。


つるんでいる友達もいないから、みんなでどこかにいるのだろう。


拍子抜けと安堵の混ざったため息がもれ、私は人だかりの中で自分が何組なのかを知るために、掲示板を見上げた。


―――C組か。


自分の名前はすぐに見つかり、同時にクラスメートの名前をザッと確認する。


沙織とは離れちゃったな。あ、江里子がいる。


英語の辞書を貸してくれた優しい笑顔を思い出して、ホッとした気持ちになる。


女子の名前の羅列ばかりを見ていて、男子の方をなかなか確認できなかったのは、なぜか彼の名前を探すことが気恥ずかしかったから。


もし同じクラスだったら、授業なんて手につかないかもしれない。


一人でそんなことを考えながら、男子の名前欄を確認しようか迷っていると、


「あ、桃子ー!」


と、私を呼ぶ声が聞こえてきた。


声がする方に視線を向けると、沙織が人ごみの中から私の方に近づいてくる所だった。


「沙織、おはよ」


「クラス離れちゃったねえ。あたしE組だよ。あ、桃子は倫平と同じクラスだから昼休み遊びに行くね!」


沙織に言われ、C組の男子の名前の中に大山くんの名を見つけた。


同時にクラスメートになる男子の名前が一気に視界になだれ込んでくるけど、目的の名前は見当たらなかった。


少し残念な気持ちを押し隠しながらも、


「替わって欲しかったでしょ」


と、私はニヤニヤしながら沙織の腕を小突いてやった。


「いいもんねー。桃子には倫平が浮気しないか見張り係してもらうもん」


無邪気に笑う沙織を見て、私は小さく深呼吸をした。


……昨日のこと、沙織に言わなきゃ。


息を吐ききると、私は意を決して沙織をここから人気のない所に連れ出そうと、彼女の手を引いたその時だった。




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