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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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真っ赤な目をこすりながら、通い慣れた通学路を自転車のペダルを漕ぎ進めて行く。


学校が近づくにつれ、心臓の鼓動もせわしなく早く動いてくる。


あれは、夢だったのかな。


昨日のことを考えては、一人で顔を赤くして髪をかきむしったり、咳払いをしてみたり、口元が無意識にニヤニヤ歪んだりと、さっきから挙動不審になってしまう。






昨日は、あれから土橋くんに駅まで送ってもらった。


駅に戻るまでの人気のない道を、私達はずっと手を繋いで歩いて。


ずっと触れたかった彼の手は、大きくて温かくて、手を繋いで並んで歩いていることがとても照れくさくて、半歩ほど下がって歩いていた。


交わす言葉はあまりなくても充分幸せで、自然と頬が緩んでくる。


しかし彼は、そんな私に向かって、


「お前、手汗すげえ」


とバカにしたみたいに笑っていた。


恥ずかしさのあまり手を振り払おうとしたけど、彼は小さく笑うだけで、私が改札を通るまで、その手を離さないでいてくれた。


結局家に着いたときには10時を過ぎていて、親にはこっぴどく叱られたけれど。


でも、母の長いお説教もほとんど頭に入らないほど、彼のことで頭がいっぱいだった。


冷め切った夕食もほとんど食べられず、お風呂に入っていてもボーッとし過ぎてのぼせたり、普段は絶対見ないテレビショッピングのタレントの掛け合いをぼんやり眺めたり、すべてに対してうわの空だった。


そのくせいざ寝ようとするとドキドキが収まらず、何度も寝返りを打っては起き上がって、部屋の中をうろついたりみたりして、眠れない体を持て余していた。


挙句、幸せなラブソングの入ったCDを聴いてみたり。


そして歌詞カードを見ては“わかるわかる”と頷きながら、その歌を口ずさんだり、公園での出来事を思い返しては、恥ずかしさのあまりベッドにダイブして毛布にくるまりゴロゴロ転がったり。


とにかく私は、一晩中そんな怪しい人間になっていたのだ。


嬉しさで眠れない夜を過ごし、朝になって鏡を見れば疲れきった顔の出来上がり。


学校を休もうかと思うほど目は真っ赤に充血していて、隈ができていた。


こんな顔で彼に会うのは恥ずかしかったけど、やはり土橋くんのことが頭によぎると、会いたさが上回って、結局疲れた体に鞭打って自転車を走らせることにしたのだ。




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