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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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-3

「おはよ、桃子ちゃん!」


相変わらずハキハキした声で歩仁内くんが私の元に駆け寄ってきた。


……ついに来た。


爽やかな歩仁内くんの笑顔に、慌ててぎこちない笑顔を向けて挨拶を返す。


「あ……お、おはよう」


「おれさあ、A組だったんだ。残念ながら桃子ちゃんと別のクラスになっちゃったけど、遊びに行くからさ!」


彼が別のクラスと知りホッとした反面、無邪気に遊びにくると言う、歩仁内くんの笑顔を見ると心がズキッと痛んだ。


沙織にはもちろんだけど、歩仁内くんにもちゃんと説明しないと。


沙織と歩仁内くんが楽しそうに話してる横で、私は一人浮かない顔でその場に立っていた。


始業式が始まる前の今しか言うチャンスはないだろう。


ボーッとしている私の顔を、歩仁内くんはニコニコしながら覗き込んだ。


「あー、そうだ! こないださ、今度遊ぼうって言ったのに結局誘えなくてごめんね。桃子ちゃんに言おうと思ってたことがあったんだけどさ、いろいろ忙しくって」


少し照れながら頭を掻く歩仁内くん。


思わずビクッと身体が強張る。


私はこの笑顔に逃げようとしたことが何度もあった。


彼の存在は、私にとって支えになっていたのは確かであり、散々彼の気持ちに甘えて、振り回してしまったのもまた事実である。


彼の手を取りかけて、最終的には土橋くんの手を取ったことは、卑怯で軽蔑されるかもしれないけれど、やはり歩仁内くんにはちゃんと話さないといけないだろう。


……よし、言おう。


私は真顔で歩仁内くんに向き直って口を開いた。



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