女友達の訪問-5
「天野……ところで気をつけた方が良いよ」
急に真顔になったのが、ヨッシーだった。
「ミス・フェロモンが男を使ってお前を狙ってるみたいだよ」
ミス・フェロモンというのは尾志谷麗子(おしや れいこ)という同学年の女だ。
こいつのせいで俺が落第しそうになった。
それはいつも俺に期末テストの対策を教授してくれる岡本という男をテスト前に横取りしやがったからだ。
だから俺はサッシーの協力を得て、岡本を取り返した。
するとこのミス・フェロモンは3科目赤点になり、落第の危機に見舞われたって訳だ。
だが、なんとか3年生になっているところを見ると、ずる知恵を使ってしぶとく切り抜けたらしい。
って今度は俺に恨みを返そうと、男を使うのか??
そうかこれを伝えるためにヨッシーたちが来たのか。
なんでもミス・フェロモンは自分の色香を使って男2人を唆(そそのか)していたそうだ。
それはどんな奴らだ? それによって対策を考えなきゃならん。
「柔道部の初段が2人らしいよ」
しょ……初段? こりゃどう見ても敵わないだろう。
それが2人がかりなら非常にまずい事態だ。
俺は思ったね。これは専門家に相談しなきゃってね。