複写された空間 ２-8
６章：出られない空間
その後、そこらへんに倒れている女子を脱がせてはヒドイ事をしながら、
どんどんエスカレートしていった。
何日たったのか時間は分からないけど、皆の弁当を食べつくした頃には、
岡元ですら全身アザだらけで顎が外れて子宮がつかめるほど拡張されていた。
岡元の子宮穴に指をいれながら
「ふぅ〜 もうこれで思い残す事はない。 全部やったし」
周りを見渡して「やってはいけない事もしたし……」
空間の端に積み上がっている同級生は直視できないので、机を重ねて隠している。
この空間にいた女子はクラスの半分だが、どの娘も一生味わえないような事をしてしまった。
ストレス発散のためとはいえ、考えると恐ろしくて気が狂いそうになる。
ホント言うと思い残す事はないとは口だけで、本当はこの空間から逃げたかった。
僕は何も見ないようにゆっくり立ち上がるとズレた空間の壁に手を置いた。
「本当に戻るだろうか。」
ぐっと握りこぶしをする手が赤くなってた。
「もし元に戻るなら、もう二度とこんな事しません。」大声で叫ぶ
「女性の体にも興味がなくなりました。
人のためになるような事にだけ使います。
だから」目から涙が出た。
「だから、僕を元の空間に戻して下さい。 わぁーーー！！」
ゴン！
「え！ ……いってぇ〜」手がものすごく痛い！
空間は割れない。
「うそ、ヤバイよ、いって〜し」もう一度 ゴン！
「うぎゃぁぁぁ！ いたい！ なんでだよ」
血が滲んでる拳を掴みながらピョンピョンはねる。
「このやろー」
今度は肘で打つ、
「いってってって！ 」
足でける、飛び蹴りする、体当たりする、割れない。
体中が痛い。
ハァハァ言いながら空間をにらめつける。
「まさか、割れないとは思わなかった。ハァハァ どうしよう……」
近くの椅子を持って、叩きつける叩きつける叩きつける。
そして最後は跳ね返った椅子が額にあたったので痛くてうずくまる。
「ぐぅぅ」
体中痛いより、この空間から出られない事に恐怖した。
「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」
糞尿や汗や血で汚れた床にうずくまりながら考える。
不安になる。
僕はそばで寝ている岡元さんの足を引っ張り抱き寄せると。
「どうしよう岡元、戻れないよ岡元」
顎が外れて全部露出している舌を咥えて口の中で転がした。
不安が消えない。
床にうつ伏せの大政の髪の毛を引っ張り喉に挿して上下させる。
しばらくして岡元の頭を手から落とすと大政の背中に落ちた。
「こんなんなら、最後に岡元を壊すんじゃなかったよ 失敗した」
悔しくて大政の頭を何度も横から平手打ちした。
大政の鼻血が温かい。
やがて疲れて天井を見上げる。
教室の天井。
ゆっくり顔をずらすと血が空間の境目についていた。
眺めていると境目に小さな亀裂があるのを気づいた。
「あれ？」
大政の頭をどけると顔面から床に鈍い音を立てて落ちた
僕は立ち上がり、亀裂を確認する。
「割れてんじゃん」
指で押すとアイスで出来た様なシャリシャリと音を出して歪んだ。
亀裂は指に広がる。
手の感覚がない。
一気に押すと空間ごと体中に亀裂が入った途端、
空間が割れた。
割れた空間はキラキラ光りながら細かくなって弾ける。
僕の目は最後に机の後ろの物体を見て意識が無くなった。
「うわああああああああああ！！」
「キャー」
「ギャア」
「ヒー」
僕は黒板を見ながら叫んでいた。
周りの人もびっくりしている。
「何？」
「びっくりするじゃない」
「どうしたの」
女の子の声が後ろに聞こえる。
僕は振り向くと大政が怪訝な顔をして見ていた。
「なぁに？ どうしたの？」
目の前の娘達は何も汚れてなくとても綺麗だ。
「白い」ぼそっと喋る
「はぁ？」
「なにコイツ」
「どうしたの？」
教室中みんな静かに僕を見ている。
「あ！ ご、ごめん 大声でちゃった。」
ポリポリと頭をかく
途端に教室にざわめきが溢れ出す。
「でちゃったじゃないわよ びっくりするじゃない」と大政
「大丈夫なの？」と岡元
「はは、ハハハ、ごめん、何でもないよ ごめん、ごめん」
僕は足早にトイレに駆け込んで個室に入る。
やった！成功だ！
岡元達もなんともなかったし、
全て元に戻ってる。
僕は個室で誰にも分からないように踊った。
もう一ヶ月はしなくてもいい、十分堪能したし。
人生最高！
気分よくトイレから出て教室のドアをあけると、いつもの風景だった、
もう誰も僕の事を見ない。
嬉しくて岡元の横を通り過ぎた。
通りながら岡元の机に手をついている娘の腰を見て
こいつらの体を思いっきり堪能したよな〜
その横のメガネも、
後ろのブスも……う、思い出した。
最悪だ。
一番最初に机で隠した奴だった。
でも、なんかこいつらの膜を破いた事が懐かしく思えた。
ずい分前のようで、どんな形だったかも覚えてもいない。
僕は嬉しそうに席に座ると。
なぜか股間が痛いくらいに元気なのに気づいた。
あんなにしたのに、
戻る前には大政の胃に流し込んだにも関わらず、全然足りない感じだ。
むしろ何もしていないで体だけ悶々としている。
１時限目の休みは残り２分だったが、僕は席を立ち上がり、
急いで岡元のそばで振り返り手の平を胸の前にかざして念じる。
「グッ」