恋する放課後-10
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雅は、黙って俺を見つめている。
ベッドがすぐそばにある、二人きりのこの部屋は、俺の部屋か雅の部屋か、はたまたラブホの一室か。いや、それはどうでもいいことだ。
大事なのは、俺達が今からまさにセックスをしようとしている、そのことだけ。
俺は震える右手で彼女の滑らかな頬をそっと撫でて、そのままこめかみの辺りを梳くように髪の中に手を差し入れた。
柔らかい髪の毛は、俺の手からパラリと重力に従ってこぼれていく。
それを確認してから俺は顔を傾けてゆっくり彼女の唇に近付いた。
触れただけのキスは、何度も繰り返すうちに少しずつ深くなっていって、互いの舌が求め合うように絡まっていく。
雅の八重歯の先端をなぞった瞬間、軽く痺れたような痛みが俺の身体の中心部を刺激して、一気に鎌首を持ち上げた。
『……んっ』
重ねた唇から漏れた甘い声にスイッチが入ってしまった俺は、彼女の耳たぶをあま噛みしながら下にある双丘に手を伸ばした――。
「……雅……」
自分の部屋のベッドに腰かけていた俺は、一心不乱にぺニスを上下にしごいていた。
今日の放課後の彼女を思い浮かべながら、下半身に鈍く熱を持つ快感を求める俺。
今まで彼女の笑顔を思い浮かべるだけで幸せだった淡い恋心は、果実が熟れていくように赤みを帯びて、その全てを味わいたくなってくる。
身体はもう限界だった。
あのまま雅を自分のものにしたいという欲望を、なんとか僅かな理性で抑えたまではよかったが、 押し込められた欲望はどこかでガス抜きしてやらないと、暴発してしまう。
雅をオカズにしてしまうのにためらいはあったけど、もはや脳内ででも彼女と繋がらないと自分が壊れてしまいそうだった。
脳内で触れていく彼女の身体は、温かくて柔らかくて、身体のあちこちにキスを注ぐだけで幸せな気持ちになっていった。
『ああっ……、博次く……ん』
ブラウスのボタンは全て外されて、現れたブラは眩しいほどの純白。
手のひらに収まるくらいのちょうどいい大きさの胸をブラ越しに撫でてやると、彼女は眉宇を少し歪めて背中をのけ反らせた。
『先生、すっげえ綺麗』
くすぐるように背中に手を伸ばし、パチンとホックを外してやれば、まるでプルンというような擬音がしそうな形のよい乳房が顔を出した。
『あんっ』
その白い乳房の頂にちょこんと鎮座している色素の薄い乳首が、緊張しているかのように身を縮ませていた。