そして、最後の夜-4
「ミツル君、私スカートを下げるけど、恥ずかしいから顔を見ないでね」
「う……うん、わかった。横向いてる」
真奈美さんはスカートを下げて、その場所を隠した。スカートで隠された部分の空気はすぐに暖められて、僕の裸の下半身全体をほんわかと包んでくれた。
真奈美さんのむき出しの太腿が僕の下腹にぴったりついている。そして僕の固くなった部分に湿っぽい柔らかな肉の感触が伝わってくる。
僕は横目でちらっとだけ真奈美さんを見た。
真奈美さんは僕とは反対方向に顔をそむけていたが頬と耳が真っ赤になっていた。
そしてその体勢のまま真奈美さんはぎこちなく腰をゆっくり前後に動かし始めた。
前の部分……クリトリスの部分が僕の先っぽとぶつかってコリコリと擦れ合う。最初は感じなかったのに、きっと大きくなったんだと思う。
その後ろの方のグニャグニャした部分は、どんどん熱くなってびしょびしょに濡れて来た。濡れたパンティごしにブヨブヨしたギザギザのゼリーのようなものが僕のチンチンの全体を撫で擦って行く。
真奈美さんの鼻息や吐息が静かな部屋に響いた。ときどき声を漏らす。微かな声だ。唇を噛んで堪えているような声。
そのとき庭の方から重たい長い物が引きずるような音が聞こえた。きっと真奈美さんにも聞こえたのだろう。
真奈美さんは腰の前後運動のピッチを速めた。
「う……はん……はぁ……ぅく……」
部屋の戸がゆっくり開いて大きな影が部屋の中に入って来た。真奈美さんは首を横に激しく振って、それを見ないように目を瞑っていたが、僕は見た。
そのおぞましいものは、今までよりも更に醜くて恐ろしかった。もうそれは女の顔ではなく般若の面のように歪んでいた。
「とーーりーーつーーくーーぞーー」
そして目を瞑って腰を動かしている真奈美さんを見ると一本だけの腕を伸ばして、その頭を鷲づかみにしようとした。
僕は真奈美さんの足を掴んで一緒に真奈美さんの腰を揺らした。こんなことしてなんの意味があるかわからなかったが、とにかくこれしかできることはないんだ。
真奈美さんが腰をさかんに動かしているうちにパンティが横にずれてきた。すると真奈美さんの生の割れ目が僕のチンチンに被さって来た。でも中に入っているわけじゃない。入っているわけじゃないけど、水っぽいピチャピチャと言う音が聞こえて来た。
布がないので、滑りが良く僕は一気に感じて来た。それは真奈美さんも同じだと思う。
ペニスとヴァギナが直接くっついて擦れ合っているのだからすごく感じた。
特に割れ目の縁にある濡れたビラビラが吸い付いてくるようで体が震えて来た。真奈美さんは僕の先っぽがクリトリスに触ると特に感じていたようだ。
「ミツル君、お願い出して! 出すとき教えて」
一度に2つのことを言われて僕は混乱した。出してしまったら駄目じゃないのか? なるべくトリツキがいるうちはビンビンの状態でいないと……でも真奈美さんの言葉に従うことにした。
そのときトリツキの悲しそうな声が聞こえたような気がする。
「とーーりーーつーーくーーしーーまーーがーーなーーいーー」
けれども僕も恐らく真奈美さんも目を瞑っていたし、この行為に集中していたから、トリツキの恐ろしい姿を見ずにすんだんだ。
僕は一気に感じてしまって、真奈美さんの名前を呼びながら、もう出てしまうと言った気がする。
そのとき、急に下半身が涼しくなった。そして僕は射精した。ドックンドックンと真奈美さんの股に挟まれたまま、僕はすっかり出したと思う。
僕は薄目を開けた。真奈美さんがスカートを頭の上にあげて上半身を隠していたのだ。
だから僕の下半身が涼しかったんだ。スカートを汚さない為に上にあげたのだろう。
僕のチンチンは縮んでしまっていたけど、真奈美さんは腰を動かし続けていた。
すると今まで聞いたことのない囁き声が聞こえて来た。
「せーーいーーをーーだーーしーーたーーなーーおーーぼーーえーーてーーおーーけーー」
「痛い」
トリツキは指をスカートのチューリップの中に入れて髪の毛を1本抜いたようだ。
そして……部屋の外に向かいながら、また例の言葉を言った。
「とーーりーーつーーくーーしーーまーーがーーなーーいーー」
真奈美さんはトリツキが完全にいなくなっても腰を動かしていた。すっかり縮んだ僕のチンチンを潰して揉むように……。
「真奈美さん、ありがとう。もう……良いよ」
終わると真奈美さんはスカートを被ったまま立ち上がると、くるりと背を向けてスカートを下げ、ドアから出ると逃げるように風呂場に走って行った。
僕も下半身を洗いたくて風呂場に行くと脱衣籠に真奈美さんの衣類が畳まれてあった。
浴室の曇りガラスの向こうに真奈美さんの全裸の影がぼんやり映っていた。
「ミツル君? 駄目だよ。そこにいたら、私が出られない。すぐ済むから部屋で待っていて」
僕は部屋に引き返した。そして真奈美さんと交代に風呂に入った。
僕が風呂から出ると真奈美さんの姿はどこにも見あたらなかった。
爺ちゃんにそのことを言うと、爺ちゃんの顔色が変わった。
「そうだった! とんでもないことを忘れていた。あの娘は夜中のうちに家に戻ると言っていた。
それは駄目なんだ。一人で外に出たらトリツキに仕返しされる! 追いかけるんだ」