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トリツキ
【ホラー 官能小説】

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3日目-5

「ああぁぁ……き……来た」
「そう? じゃあ」
芳江さんは待ち合わせ時間が来たという感じで、僕の上に跨った。僕は初め何をしたのかわからなかった。だけど、芳江さんが腰を動かした時、僕のチンチンが芳江さんの股の間にすっぽり入っていたことがわかった。
で……でも僕は仰向けになっているから部屋の中が丸見えだった。しかも僕は入り口の方を向いて寝ていたんだ。
だから……だから……部屋の戸が開いてニューッと大きな顔が現れたとき、目と目が合ってしまったんだ。
でも芳江さんは多分もう来ていることに気づいていると思うのに、にっこり笑って僕を見た。そして歌詞のない変な曲を歌い始めた。
「ららら……♪」
そうしながら腰をクネクネとリズムに合わせて動かし始めたんだ。
それだけじゃない。両腕を平泳ぎのように動かしたり、横に水平に広げて波のように動かして踊ってるんだ。
いつかテレビで見たフラダンスみたいだと思った。
さっきからあのトリツキが『とーりーつーくーぞー』を囁いているらしいけれど、芳江さんの声ですっかりかき消されていた。
僕の下半身は芳江さんのお尻の肉で揉み揉みされて痺れるような良い気持ちになっている。そしてチンチンは芳江さんの体の中で柔らかい肉に挟まれて洗濯されているみたいで凄く気持ちが良かった。
すると、芳江さんの顔を見ていた僕の目の前に、あの大きな顔が入って来た。
「ひ……ひぃぃ……」
僕は思わず声を漏らした。だってその顔はニターッと笑っていて僕を見ながら、舌舐めずりしたんだ。
その舌は蛇の舌のように先が二つに分かれていて、とっても長かった。そしてどす黒い嫌な色をしていた。
「ミツル!一緒に歌って!なんでも良いから歌って!」
芳江さんの声が聞こえて僕ははっとなった。
僕は両手を上に上げながら平泳ぎの手をした。そして、トリツキの顔を見ないように右を向いたり左を向いたりしながら声を出した。
「あっち向いてほいっ!こっち向いてほいっ!あっち向いて……」
するとトリツキは僕の顔を追いかけるように僕が右を向いたら右に顔を持って来て、左を向いたら左にと言う風に追いかけて来た。だから僕は顎を上げて上を向いたり顎を引いて下を向いたり、左に行くと見せかけて正面を向いたりして必死に顔を背けた。
「ミツル! 目を瞑って歌いなさい!」
芳江さんの声で僕は目を瞑った。そうか、最初からこうすれば良かったんだ。目を瞑ると僕の感覚は下半身に集中した。芳江さんの腰の動きがなまめかしく厭らしくくねくねと伝わって来る。
僕は何か訳の分からない歌を歌っていた。全く出鱈目の歌だ。そのうち下半身が痺れるような感覚になって、僕は声を上げて射精した。
でも、芳江さんは歌い続けた。そして腰を動かし続けた。だから僕はすっかりあれを出し切ったんだ。そして当然のことだけどチンチンが萎んでしまった。
そして芳江さんの大きな声と腰の動きが止まらずに……チンチンが外れた。
ああ、もう駄目だ。芳江さんの首があの長い片腕に掴まれて引っこ抜かれる!そして僕も狂い死にするようなひどい目に遭うんだ!
僕は息を止めた。芳江さんは僕のチンチンが抜けたのに気づかないのかずっと腰を振って大声で歌っている。
僕はいつその声が悲鳴に変わるのかドキドキして待っていた。
でも何も起きないので、薄目を開けて見た。
いつの間にかトリツキはいなくなっていた。

 


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