投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

女嫌いな俺
【コメディ その他小説】

女嫌いな俺の最初へ 女嫌いな俺 6 女嫌いな俺 8 女嫌いな俺の最後へ

諦めの悪い奴-1

「『答えはNOよ』って言ったのか? 他には何も言わなかったのか?」
木下は俺の襟首を掴んで揺すった。おいおい、俺はお前の為に時間を割いて聞いてきてやったんだぞ。
「いや……もう一言言った。『それだけよ』って」
それを聞くと木下は俺から手を離して腕を組んだ。
「『答えはNOよ』と『それだけよ』か……この中に何か別のメッセージが隠されていないだろうか? ふむぅ……」
隠されている訳ないだろう! 単純明快じゃないか。いい加減諦めろ、と俺は心の中で叫んだね。どうしてこいつは目が醒めないんだ!

2・3日してから、例の諦めの悪い木下が俺に言った。
「天野、知らないか? 佐伯佳美が消えたんだ。クラスに覗きに言っても姿が見えない。て……転校して行ったのかな」
「可能性があるな。ここは私服自由の学校だけど、制服に憧れて違う学校へって手もある。なによりファッションに拘る奴だったし」
「じゃあ、どこに行ったんだろう?」
「うーん、該当するとしたら、新鋭学院だろうな、あそこの制服は人気がある」
「あそこはここよりレベルが高いから転校は無理だ」
「そうか?じゃあ、聖バレンタイン女学院はどうだ。あそこならレベルも高くないし、あいつならすぐにミサとか賛美歌を覚えそうだし……」
「何言ってるんだ! 女子だけの学校にどうやって俺が転校すれば良いんだ!」
「えっ?」
佐伯の話じゃなくて、自分が転校して追いかけて行こうって話しか? こりゃあ重症を通り越して、危篤だ。俺はそこから音も立てずそうっと逃げ出し始めた。
「おい、天野どこへ行く? まだ話があるんだ」
「な……なんだよ。まだ何かあるのか? 」
俺はそろそろ木下と付き合うことのメリットとデメリットを天秤にかけて計りたくなったよ。
「葦野がお前を探していたぞ。音楽室に今いる」
「なんでバドミントンクラブの葦野が音楽室にいるんだ?」
「知らないよ。行って来い。お前金でも借りていたんじゃないのか?」
どうして相手が葦野だとそういう話しになるんだ? 浮いた話だとは思わないのか?
 


女嫌いな俺の最初へ 女嫌いな俺 6 女嫌いな俺 8 女嫌いな俺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前