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女嫌いな俺
【コメディ その他小説】

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女が嫌いな訳は……-1

俺は女ってのが大嫌いだ。キャーキャー集まって騒いでいたかと思えば、急にこそこそ内緒話をして周囲に変な目配せをする。
どうでも良いことを大袈裟にああでもないこうでもないと長い時間をかけて喋りまくる。大体言うことが細かくてみみっちい。
まあ、そんなのはまだましな方だ。女って独特の匂いがあるんだ。甘ったるい果物が腐ったような匂いだ。特に男に発情している時の女ってのは、気持ち悪い。その時はバターが腐ったような匂いがするんだ。
俺は根拠もなしにこんなことを言ってるんじゃない。俺には3人も姉貴がいた。その姉貴たちを見ててそう思うんだ。
いつだったか一番上の姉貴が彼氏を連れて来た。ギターを弾くのが上手な男でクラシックの曲を弾いたり、伴奏をつけて甘い歌声を聞かせたりした。
ところが一番上の姉貴のところに来た彼氏なのに、2番目の姉貴が気に入ってしまって途中で独占してしまったんだ。1番目の姉貴は頭の回転が遅い方だから、まあはっきり言って横取りされた感じだよな。一応膨れっ面していたけど、頭の良い2番目には敵わない。
ところが最初一緒に騒いでいた3番目の姉貴が途中でいなくなったかと思うと、台所で酒を飲んでべろんべろんに酔って泣いているんだ。まだ3番目は未成年だったが、その男が好きだけど自分のものにはならないから飲んだこともない酒を飲んで泣いていたんだ。
なに?その後どうなったって? 3番目の姉は酔いが醒めて翌日、その男に会いに行ったよ。だが、その男は2番目の姉に気持ちが動いていたから相手にしなかった。
だが2番目の姉はその後どうなったかと言えば、ほんの1・2回その彼と会ったが男の頭の悪さに愛想が尽きて振ったんだよ。
こんなのはほんの1例だ。俺はこういう女の節操のなさが腐った果物の匂いがすると感じるんだ。実際にそんな匂いがするかどうかは問題じゃないんだ。精神的な匂いなんだよ。
えっ? たまたまお前の姉貴がそうだからって全女性がそうだとは限らないって? そうかもしれない。だが、そのたまたまがどうも俺の場合は続くんだ。
よく男友達の中で、あの女が好きだとかって打ち明けられることがある。俺にしてみれば、どうしてこいつらはこんな女なんて好きになるんだと思うことが多い。
マジックだって種がわかればつまらないだろう? でも俺の知ってる男どもは女の手品の種を見ようとしないんだ。女の身振りや言葉に種が隠されていて、俺にはよく見えすぎてうんざりするんだが、見えない奴にはそれが素晴らしいイリュージョンに映るらしい。
腐った果物の匂いに感じるのか、それとも花の香りに感じるかは人によって違うらしい。
俺にしてみれば物凄く頭が良くて賢い男が、女のことになると間抜けになってしまうのが理解できない。
俺の友達ははっきり言って、俺よりレベルが上で優れた面を持っている奴が多いんだが、残念なことに女のことになると、はっきり言って間抜けばかりだ。
まあ、そうならなきゃ男と女はくっつかないし、人類も存続しないから、仕方ないことなんだろうが……。



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