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露出する女
【痴漢/痴女 官能小説】

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里美 第一話-1

             露出する女 里美(序章)

「来年30かぁ」
結婚して5年、あっという間に里美も29才になっていた。

(30になる前に、子どもを二人産んで早く楽になって…)
そう思っていたのに、子どもどころか妊娠の『に』の字さえないままに時が過ぎていた。

10才違いの夫は来年40、年齢差は変わらないはずなのに、40という数字は里美を焦らせた。
一人っ子の夫に義理の両親は、一昨年実家の近くに家を建ててくれた。

孫が出来たらいつでも見れる距離にと、夫と両親だけで勝手に話を進めて、里美が家の事を知ったのは地鎮祭の前の晩の事だった。
世間一般では、地鎮祭の前の晩ともなれば夫婦で胸をときめかせて、夢を語り合う和気あいあいの晩のはずなのに、里美の家では危うく流血の事態になるところだった。

それまでは隣町とはいえ車で1時間、いつかは両親を見なければならないと思っていたけれど、それは当分先の話だと思っていた。
せめて生まれてくる子ども達が、社会に出るまではこの何となく不便な距離を保っていたかった。

それが突然降って湧いたかの様に、自転車で互いが行き来できる距離に。
おかげで、夫の両親が何かにつけて来る様になって、里美のストレスは増える一方だった。

(40も手前になってさ、何でもかんでも『ママ』『ママ』って…なんなのよっ)
義母は気が強く、おとなしく気弱な性格の義父と、その血をひいた夫も、情けないくらいに義母に従順なことが、里美のストレスを増していた。

「夜、母さん達が晩飯食いにくるから用意しといて」
その日も、夫は出がけにそう言うと、逃げる様に会社へと出て行った。

(もうバカみたい…掃除くらい自分のしたい様にしたいわよ)
家事にうるさい義母に文句を言わせないために、せっせと掃除をしながら涙が出そうだった。

(せめてお昼だけでも、自分の好きなの食べようかな)
とりあえず、午前中で全ての家事を済ませてホット一息つきながら、ピザの配達をたのんだ。

「はーい」
玄関のチャイムが鳴って出てみると、そこに立っていたのは義父だった。

「庭の草むしりでも手伝おうかと思ってな」
義父はそう言うと、照れくさそうに笑った。

(また、お義母さんとなんかあったんだ…)
会社を夫に任せて、今では家に居る事が多い義父は、何かあると家にきた。

(せっかくピザ頼んだのに…すぐには帰らないだろうなぁ)
そんな里美をよそに、義父は勝手に庭の方に回っていった。

(はぁ…ほんとに、もういや)
そんなに草をむしるほど広くもない庭で、ごそごそしている義父の背中を見ながらため息をついた。

ピンポーン ピンポーン ピンポーン
玄関のチャイムが鳴って、今度こそピザの配達の男の子が立っていた。

「お義父さん、お昼はピザを頼んじゃったんだけど、一緒に食べます?」
庭でしゃがんでいる義父に声をかけた。

「すまんね。いいのかい?」
義父は待ってましたと言わんばかりの笑顔で振り向いた。

(このクソ親父)
そのいかにもうれしそうな笑顔が、里美の癇に障る。

「はいタオル、どうぞ上がって下さい」
手を洗っていた義父に、作り笑顔でタオルを手渡しながら言った。

「母さんはピザとか嫌いだからなぁ。久しぶりに食べられてうれしいよ」
そう言いながら上がってきて、居間のソファーに座ってにこやかに笑った。


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