紅館の花達〜金美花・上編〜-6
やがて、夕食の時間となり皆食堂に集まった。
しかし、紅様の席とシャルナ様の席だけが空いていた。
その空席の寂しさが皆にまた悲しみをもたらした。 紅様の右隣、永遠の空席。
それから数日経っても紅様は姿を見せなかった。
料理長のフィナさんによると、時々出てきて、食べ物を持っていくそうだ。
『少し心配ね………』
私は一人、白竜館の紅様の部屋へと向かった。
もう夜の闇が辺りを覆い、白竜館の廊下は暗い………
灯りがついていなかったが、手探りで紅様の部屋に到着した。
コンコン―――
『紅様、私です。』
ノックをして声をかけるが、返事は無い。
『紅様? 入りますよ。』
ガチャリとドアは音を立てて開いた。
中もやはり暗くて、よく分からない。
私は近くにあったロウソクに火をつけた。
『紅様?』
部屋を見渡すが、姿が無い。 隣の寝室だろうかと、ロウソクの光を頼りに歩いていく。
『―――ッ』
寝室はとてもお酒臭かった。
そして紅様はベットにうつ伏せになり、毛布もかけずに眠っているようだった。
(普段はお酒なんて飲まないのに………)
ふぅ………と溜め息をつき、ロウソク台を近くの机に置く。
『毛布もかけないで寝たら、風邪を引きますよ。』
ベットに近付き、毛布を手に取る。
ガシッ―――
『えっ……?』
腕を掴まれた。
紅様が私の手を掴んだのだ。
『紅様? 起きていたのですか?』
しかし、返事は無い。
次の瞬間、手に力を込められ腕を引かれた私はベットに倒れこんだ。
『なっ―――』
紅様がその上から覆い被さる。 男性の体重がかかり、息が苦しくなった。
『紅様! 苦し………どいてください!!』
だが、紅様から返事は無い。
『………シャルナ………』
紅様が私の耳元で囁いた。
『えっ………? あっ、いや!!』
紅様の手が、服の上から胸を揉んだ。
(そんな………私、シャルナ様に間違えられてる!?)
『違います! 私、シャルナ様じゃ……んむぅ!!』
言葉の途中で、キスをされて中断した。
『やっ………んん………』
紅様の舌が私の舌を絡めとる。 部屋には舌と舌が奏でるネチャネチャという音だけ…
(私……紅様とキスしてる………)
紅様の舌が私の舌を離して、キスが終わった。
そして、私はキスの一つで呼吸が荒くなっていた。
(でも、いけない! こんなこと、私も紅様も後悔するわ!)
紅様の手が、慣れた手付きで私の服のボタンを外した。
『あっ……』
ハラリと上着がはだけて、年の割りには豊満な乳房が露になった。
慌てて手で隠すが、すぐに掴まれて、隠せなくなった。
『駄目、紅様……目を醒まして!』
しかし、願いは届かない…
紅様は両手で乳房をこねるように愛撫しだした。
『くっ………ふぅん………やっ……駄目ぇ………』
これが予想以上に快感を与え、私の言葉から抗議を奪う。
パクッ―――
『ひゃっ!』
片手で乳房を絞り出すように掴まれ、乳首をパクリとくわえられた。
ザラリザラリと舌が這う感触がした。