星を数えて act.2-3
「煙草」
「ん?」
「消して」
「あぁ、煙草嫌い?わりぃ」
そう言ってキッチンの流しに向かう彼。
こういうことで精一杯だった。
こんな崇にキスされたくなかった。
「消してきた、ごめんな」
サラサラと私の髪をなでる。私は嫌なのに固まってしまう。
「しっかし、俺のために伸ばしてたんだ━━」
バッと、その言葉を言われた瞬間、彼の手を払い除けた。
「今の崇のために伸ばしたんじゃない」
「…そ」
そう言ってTVを眺める彼。まぁ俺はお前も好きよーと言った。
誰がそんな言葉信じられるだろう。
「まっそのうちしような」
ピルル、と携帯が鳴る。彼の携帯で、しばらくカチカチといじったあと、急に立ち上がった。
「じゃ、俺そろそろ行くわ」
「ん…」
「また晩飯食わせてなー」
そう言って彼は出ていった。
そんな、ヤるヤらないなんかの気持ちじゃない
そう、私の気持ちを伝え続けるしかない
『いつでも叶ちゃんだってわかるように』
必ず、思い出させてあげるよ。
だから
私を
ホントの意味で好きになって。
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