誘惑-2
鼓動を指先で感じる。掌で体温を感じる。
ギチギチと音が聞こえてきそうな程にパンパンに膨れ上がった雄のそれは最早凶器としか思えないほどの狂暴性を秘めていた。
私の手は私の意思とは全く違うベクトルに向き、先輩の凶器にただ刺激を与えていく別の意思を持った道具となる。
「はぁ、はぁ」
先輩の荒い息遣いさえも今の私には興奮材となって、悪戯に手婬の速度を上げる。どうやら、熱を持ったのは彼だけではなくてーー
「あー、ヤバい。気持ちいい」
頭を掴んでいた先輩の手は、いつの間にか私の頭を撫でる形となって私は少しずつ気をよくしていく。
先輩の先っぽからはぬるぬるとした婬汁が垂れてきて私の手を汚していく。またそれが潤滑油となって、先輩を更なる快感へと誘う。
「はぁっはぁ、出る!」
先輩は短くそう言うとすぐに噴射した。濃厚な精液は宙を舞って私の髪や顔や身体に降りかかる。
ーーやっぱり早い。
男は皆そうなんだろう。これで私の中で一つの結論が出た。学ぶことはもう無い。
瞬間、先輩は私の頭を再び掴んで口内へ今果たしたばかりの肉を突っ込む。
喉奥まで容易に届くそれに嘔吐感をもよおす。それでも先輩はお構いなしに腰を降り続けて私の喉を犯す。
しかし、何よりも驚いたのはーー今射精したばかりのそれが全く衰えてないこと。サイズも硬度も熱も変わらない。ただオンナを求めて突き進む凶器。
「むぐっ、うぐぅっ!?」
「あーやべっ、口も最高!」
特に何かしらのテクニックを使っているわけでもない。と言うよりもそんな技術を持ってないし、それ以上に今そんな余裕は無い。
頭を捕まれてガシガシと腰を振られて喉奥までレイプされているだけだ。
精液の生臭い匂いが口内から鼻腔へと流れ、私は何も考えられなくなっている。しかし先輩の玩具になっていることに嫌悪感が湧き出るものの、私は舌で先輩の形を確認している。
「ああ、いいよ瑞穂!もっと舌でっ」
…舌で?
私は言われるがままに舌を酷使する。エラの張った亀頭に舌を絡ませて、太い幹にも舌を這わす。
先輩のお尻に手を回して貪るように肉棒を堪能する。
「ああ!もう駄目だ!我慢できねぇ!」
言うが速く、先輩は私の口からペニスを抜き取ると私を押し倒した。
その速さは経験したこともないもので、悲鳴を上げる間も無く私は気付くと下着姿となっていた。そして簡単にブラは外され、ショーツまでも剥ぎ取られると濡れて剥き出しの私に彼の先端が当たる。
「や、待って先輩!それは駄目!」
抗議の声は虚しく響き、先輩の口の歪みが私の被虐嗜好をくすぐった。
堅牢だと認識していた私の城壁は、斯くも容易く敵の侵入を許した。