生きる術-6
「じろじろ見ないのっ!」
カリーは顔を赤くして後ろを向く。
「無理だっつうの……たく……無神経なチビだ」
「ふにゃあっ?!」
スランはカリーの後ろから腕を回してたわわな胸を揉みしだいた。
「あっやっご飯抜きは嫌ぁっ」
「そっちかよ」
ぐにぐに形を変える胸は手の平にしっとりと吸い付く。
ずっと揉んでいたい気にさせる極上のおっぱいだ。
「ふぁっんっ」
カリーは可愛い声を出して顎を上げ……そのまま勢いをつけてスランに頭突きをかます。
ゴッ
「ぶはっ」
カリーの後頭部はスランの鼻面に綺麗にヒットし、スランは鼻血を吹き出した。
「やだっお湯に入れないでよっ!」
カリーはバシャバシャとスランにお湯をかけて、あっちに行けと彼を追いやる。
「お前な、誰のせいだと……」
ダバダバと血を流す鼻を押さえて涙目で文句を言うスランだったが、素直に下流の方へ移動した。
「どう考えてもあんたのせいよ」
カリーは後頭部を擦って言い返すが、ちょっと思いっきりやりすぎたかな?とスランの様子を伺う。
鼻血の時は上を向くのが普通かもしれないが、実は血が逆流して喉に詰まる危険がある。
下を向いて血を出しきるのが正解。
暫く下を向いていたスランは鼻をかんで出血が止まったのを確認した。
「くそ……もう出る」
いつまでもこんな所に居たら余計疲れる、とスランは温泉からあがる。
「行っちゃえ、バーカ……?!きゃあっ!」
子供の様に舌を出したカリーが悲鳴と共に突然消えた。
「!!カリオペ!?」
ズボンを片足に突っ込んだ状態だったスランは、不意をつかれて不様に尻もちをつく。
温泉の湯面には波紋が広がるだけ……カリーの姿はどこにも見えない。
「カリオペ!!」
とりあえずスランは急いでズボンを引き上げながらカリーを呼んだ。
「その名前で呼ばないでって言ってるでしょぉっ!」
すると、遥か彼方からカリーの叫び声がする。
「カリオペ!!どこだ?!」
「止めろって言ってんのが聞こえないの?!馬鹿スラン!!」
ヒュー… ベシーッ
「ぶはあっ!」
カリーの怒号と同時に猛スピードで濡れたタオルが落ちてきた。