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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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生きる術-5

「今日はここで野営にしようよぉ〜」

 カリーはそこにでれんと寝転んで息を吐く。
 スピードと身の軽さ、加えて持久力もあるカリーだが、このように筋力を使う事はまるでダメ。
 スランも似たようなもので2人は疲労困憊の様子だ。

「……そうだな……そうするか……」

 まだ日はあるが2人の様子を見てゼインは荷物を降ろした。
 ズシャッと重そうな音をたてて地面に降ろされた荷物は3人分。
 途中からゼインが2人の荷物も持っていたのだ。

(化けモン……)

 スランは疲労でずっしりと重くなった身体を岩壁に預けて内心ぼやく。
 身体ひとつでこれだけ消耗している自分に対して、ゼインは3人分の荷物を抱えていたのにまだ余裕がありそうだ。

(力じゃ負けるな……)

 この先、このチビと戦う事になったら真っ先に逃げよう……そう心に誓うスランだった。

 カリーとスランがだらけている間、ゼインは周辺を捜索して温泉を見つけてきた。
 洞窟に戻ってそれを伝えると、カリーがにわかに元気になる。

「温泉〜♪先、入っていい?」

 温かいお湯に浸かると疲れが吹っ飛ぶ。
 それが温泉なら尚更だ。

「食事の準備しとくから2人で行ってこいよ」

 さら〜っと言ったゼインに、カリーとスランは驚いて目を丸くする。

「別に気ぃ使って言ってるワケじゃねぇぞ?2人して疲労困憊だと俺が困るんだよ」

 何かあった場合、1人で自分より大きい人間を2人も担がなくてはいけなくなるのは、さすがのゼインでも辛い。

「今更、恥ずかしがったりしねぇだろ?とにかく、早く回復してくれ。ただし、余計疲れるような事しやがったら2人共、飯抜きだ」

 温泉で全裸で2人きり……欲情しないワケが無いのは分かっているが、今は我慢しろ。
 そう言ってゼインは2人に指を突きつけて念を押した。

「「努力します」」

 こんなに疲れているのに食事抜きはキツい……カリーとスランはゼインの指先を見ながらコクコク頷いた。

 とは言え、全裸のカリーはやはり魅力的で目の毒だ。
 特にお湯にぷかりと浮いている豊満な胸が。
 思い出してみると、胸には直接触っていない。
 あの谷間に顔を埋めて、両側から胸を寄せてうにうにしたら……。

べしょっ

「ぶ」

 カリーの胸に視線を貼り付けて妄想していたら、いきなり濡れたタオルが飛んできて顔面に直撃した。



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