露出する女-2
「いっ、いやぁぁぁぁあああ………」
夫の薬指の先っぽが偶然アナルの中に少し入ってきて、揉み解す様に動き回った瞬間、幸子の背中が弓ぞりになって、ガクガクと震えた。
「あぁぁあああ、いやっいやっ…あぁぁぁあああ、またイっちゃう、イっちゃう」
夫の腕の中で、幸子は果てしない絶頂の波に翻弄されていた。
「幸…」
何もしていないのに絶頂を繰り返す幸子を、夫はただ呆然と抱きかかえていた。
「いやっ、いやっ。。。もうダメっ…怖いっ。。。止めてっ」
落ち着いたと思ったら、背中が波打ち弓反って絶頂を繰り返す。
幸子の身体は全身が朱に染まって、息も絶え絶えの感じだった。
10分ほど経ったろうか…いや、５分くらい？
見守っている夫にも幸子にも、どれくらいの時間が経ったのかわからないほど、時間の感覚がつかめなかった。
『快感』というような生易しいものじゃない快感が少しづつ引いていって、やっと幸子の呼吸も整ってきて、うつろだった目の焦点も合ってきた。
何が起きたのかまるでわからない夫は、腕の中で身体を丸くして小さくなっている幸子を、ただ抱きしめ背中をさすっていた。
「幸、だいじょうぶ？大丈夫か」
顔を覗き込みながら聞いてきた。
「ぅ...うん…大丈夫。。。。怖いくらい、すごかった。。こわれちゃうかと思った」
未だ整っていない呼吸で、夫の胸にしがみついている幸子が、やっとそれだけ言った。
「何も変わったことしてないのにな。。幸が死んじゃうんじゃないかと、まじに心配したよ」
心から安心した様に、ほっとした顔で夫が言った。
「ごめんね、自分でもわからないよ。。でもすっごい気持ちよかった」
そう言いながらもう一度、夫に抱きつく様にしがみついた。
そうしてそのまま、いつの間にか眠ってしまっていた。
夫に起こされて、やっと目覚めるくらいだった。
「ごめんね、いつの間にか寝ちゃった」
子どもみたいに、目をこすりながら言う幸子に、夫はほっとしながら愛しそうに笑った。
「もしかして寝てないの？」
夫の真っ赤に充血している目を見て、幸子がきいた。
「うぅん、少しは寝たよ。幸のことが心配だったからね」
優しい笑顔で言った。
「ありがとっ…ほんとに大好き、いっぱい大好き」
夫はそんな幸子を愛おしくてたまらない風で抱きしめた。
（これからも、ずっとあんなになっちゃうのかなぁ…）
幸子はまたあの快感を味わいたいのと、あの繰り返し繰り返し身体のどこか、奥深い所から突き上げて来る絶頂が恐怖に近い怖さもあった。
「でも…」
そうそれでも、でもだった。
あの快感を一度味わうと、普通の絶頂は足下にも及ばなかった。