初体験2-2
Y先生、軽く笑いながら裕美にそう言って、私の方を見た!
目が、授業の時とは違っている気がした。
「よう! やっぱり、女の子は変わるな。
制服とは全然違う。やけに大人っぽいな。
女子大生みたいだ(笑)。」
確かに私、ジャケットを着て、社長室で「面接を受ける女子大生」みたいに背筋をピンと伸ばしてソファに座ってました。
「こんにちは・・・。」
私、それしか言えなかった。
決心はしたけれど、やっぱり「相手」を目の前にして、また吐きそうなくらい緊張してました。
「先生! ようこそいらっしゃいました!」
裕美がいつもの明るい感じで言いました。
「私も、まさかこんな所とは思わなかったんです。ごめんなさい!」
「なんで、お前こんな所知ってるんだ?!」
「ここ、私のオジさんの会社なんです!」
確かに!(笑)
「おじさま」を「オジさん」って言い換えているだけで、漢字の「叔父さん」とは言っていません。
だから、裕美はウソをついていない(笑)。
「そうか、お前の叔父さんって何やってるんだ?!」
先生、間違いなく漢字の「叔父さん」だと思ってた。
「そんな事、どうでも良いでしょ、先生。」
「そうか?!」
「そうですよ。今日のテーマは先輩なんですから!」
「それは分かっているけど、まだこんなに明るいし、俺だってちょっとはテレるよ。」
裕美とY先生のやり取りを、私、現実じゃないみたいに思ってた。
でも、先生の勘違いに気付くくらいの余裕も生まれ始めてました。
少しの間、世間話をしたけれど、すぐに裕美が言いました。
「じゃあ、邪魔者は帰ります。後は若い人同士で楽しんで下さいな(笑)。」
お前は仲人のおばさんか!(笑)
先生も大笑いしてたけれど、まだリラックスするほどじゃなかったから、「まだ良いだろう」って言ってました。
「いえいえ、私の出番はここまでです。
後は、先生と先輩に任せます。
でも!
先生、後で先輩から感想を聞くんで、先輩が後悔するような事したら、絶対に許しませんからね!
先輩も、もし本当に嫌だったら、途中でやめちゃっていいですよ。
先生もその辺は分かってるから。」
裕美って何者?!
高一の女子なのに、先生にそんな上から目線で言うなんて、信じられません。
しかも、先生は「分かってるって・・・」って、怒りもしないんです。