『秘館物語』第２話「訪問者」-8
くちゅ、くちゅ……
「あ、ん、んんっ……！」
その濡れを促進させるように、浩志の指が溝の上を蠢いた。
「ダ、ダメッ……。ああっ、あんっ……！」
きゅ、と太股が締まる。だがそれは、反対に浩志の指を中に押し込む結果を招き…、
「ひあっ！」
強烈な刺激を自ら作り出してしまった碧は、大きく背中を反らしたのだった。
くちゅ、くちゅ……にちゅ、ぬちゅ……
「すごい……滲んでる……」
「ダ、ダメです……染みになっちゃう……」
「知らないよ。濡れているのは、碧じゃないか」
「そ、そんなこと、おっしゃらないで……」
益々頬を染め、碧が羞恥に悶える。
そんな表情を見せられてしまえば、浩志の業は抑えようもないくらいに燃え上がり、更に貪欲な猛獣と化して碧を貪りたくなってしまう。
「あ、い、いやっ……！」
ショーツの端から潜り込ませた指を、濡れて柔らかくなっている秘裂の中へと押し込んだ。
にゅるっ…
と、まるで待っていたかのように碧の粘膜がその指先を迎え入れ、飲み込むようにして中へと吸い込んだ。
「中まで……もう、ヌルヌルだ……」
「は、あっ、や、やめてっ、お、お願いですから……」
荒い呼吸の中で、己の欲望を全て指先に集め、浩志は碧を犯す。
ぐちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ……
「あ、ああ……こ、こんなの、こんなところで……いや……いやです……」
顔を両手で覆いながら、泣き声にも等しい抗いを見せる碧。
だが、その言葉の信憑性を奪うかのような反応をびくりと蠢く太股は見せていて、指を中に入れられた彼女の胎内も、それを悦んでいるとしか思えない濡れ方をしていた。
「浩志さん、いや……」
果たして、碧の本心は何処にあるのか？
「じゃ、やめようか」
「えっ……」
浩志の指使いが止まり、それが胎内から抜け出ようとした。瞬間、碧は、本能的に秘裂の粘膜を引き締め、表情に寂しさを滲ませた。
（かかった）
浩志はその反応に、口の端を緩ませる。そして…。
グチュッ！ グチャ、グチャ、グチャ、グチャ！！
「ひ、ひあっ、い、いあああぁぁぁあぁぁ！！」
これまでにない激しい指使いで碧を責めたてた。
「そ、そんなに激しく弄らないで！ い、いや、いやっ、いやあぁぁああぁぁ！！」
グチュッ、グチュ、グチュルッ！ グチュグチュグチュグチュ！！
「あひぃぃぃっ！！」
捻るような回転運動を加え、指先を激しくこね回す。碧は慎みを忘れたように声を挙げ、激しく体をゆすぶっていた。
「車の外に、聴こえちゃうよ？」
「で、でも……あ、あっ……こ、声が……ん、んあっ……ああぁぁあぁ！！」
「それとも、誰かに聴かれたいのかい？」
「いや……いやです……そんなこと……」
苛烈に碧を弄びながら、浩志は言葉でも彼女を辱めている。
吹き上がってきたカオスが、彼の意識を支配して、眠っている激情には完全なる炎が宿ったらしい
「あ、ああ、や……やめ……」
「やめる？ どうする？」
とはいっても、理性は残っている。本気で碧が嫌がっているのなら、行為を続けるつもりはない。
だが、浩志には確信があった。