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『秘館物語』
【SM 官能小説】

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『秘館物語』第2話「訪問者」-24


「双海……ええよ……ええわぁ……」
「わ、私もっ……! んんっ、くっ、あぅっ!!」
 愛欲の踊りを、二人はとにかく愉しんでいた。まだ日も落ちていない時間で、なおかつ、客人として供された一室に今は居るのだという意識は、何処かに飛んでいるようだ。

 はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ…

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅぐちゅっ、ぐちゅっ…

 息遣いも、腰の動きも、そのリズムは全て琴瑟相和している。それはそのまま、二人の深い相愛関係を映していた。
「双海……双海……」
 頬を摺り寄せて、その名を何度も呼ぶ。
「好きや……好きやで……」
「んっ! んぅっ! んっ、んっ、んんっ!」
 そして、彼女の身体を、真下から強弱をつけて何度も突き上げる。
 言葉では穏やかに、身体では情熱的に、兵太は双海への愛を溢れるまま注いでいた。

 ぐちゅるっ、ぐちゅぐちゅっ、ぬちゅぬちゅっ…!

「はぁっ……! ん、んぅっ……! んぅっ、んんぅっ……!」
 繋がっている部分の潤いは、最高潮だ。出たり入ったりするたびに、それが飛沫となって、びちゃびちゃと跳ねている。
 兵太のジーンズには、跳ねた愛蜜が此処彼処に滲んで、水玉模様が俄かに出来上がっていた。双海の滴りが直撃している股間の部分となれば、完全に水気を含んで生地の色が濃くなっていた。
 “双海模様”そして、“双海色”に、兵太のジーンズが染められた、と言っておこうか。もっとも、兵太の心そのものが、既に“双海一色”に染まっているのだが…。
(あ、あかん……)
 兵太は、己の限界を悟り始めた。腰にまとわりついていた強烈な痺れが、大きな奔流となって砲身に充填されていくのが分かる。何故か、とある宇宙戦艦のイメージが脳内に浮かんできた。
「双海……ワイ、もう……」
「あっ……んんっ……は、はい……」
 動きを少し緩めて、僅かでもその瞬間を先延ばしにしようとするが、男の場合、ひとたび精を催してしまうと、全くどうにもならない。
「来て、ください……来て……」

 きゅっ、きゅぅぅぅ……!

 砲身を包む粘膜が、弛緩と収縮を絶妙に繰り返した。尿意にめっぽう弱い、彼女の括約筋からは考えられない動きである。
「うひぉっ……!」
 奇襲を受けた兵太は、三枚目丸出しの声を挙げながら体を激しく震わせた。それは、精が漏れる直前の正直な反応であった。
「ふ、双海っ……う、うぅっ……!」
 そしてそのまま、うねりの中心に向かって全てを解放した。

 どくっ、どぷっ、どぷどぷどぷっ……!

「んきゃぅっ……!」
 体の奥を熱い奔流に打ち抜かれ、双海の背も反った。達したわけではないだろうが、敏感になっている内部の至るところを白い熱線で狙撃されたので、その刺激に反応したのだろう。
「あ、あぁ……あつい……です……」
 どくどく、と胎内で脈打つ砲身の先端から、熱い迸りが何度も吹き上がってくる。それが子宮の入り口を叩き、流れ込み、膣内にも溢れ、それは繋がっている個所の隙間から滴り零れ落ちてきた。
「あついものが……いっぱい、きてます……」
 それは、双海の望みを叶えるために必要な種だ。一億を越える無数の“可能性”が、生命の象りを求めて、“母なる海の中”で疾駆していた。
「くっ……うぅ……」
 搾り出すように、兵太はその後もしばらく精を注ぎ続けた。可能性を増やすため、その種は多いに越したことはない。


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