『秘館物語』第2話「訪問者」-23
「あんまり……見ないで……」
それを凝視されることは、さすがに堪えるらしい。双海は、恥ずかしさのあまり顔を挙げられない様子だ。
「双海、ワイもう、辛抱たまらん」
「んぁっ! やっ、あっ、んっ、んぅっ!」
荒い息遣いを隠すこともせず、兵太は双海の秘裂を更に強く、そして淫猥に弄る。
ぴちょ、ぴちょ、ぴちょ…
と、兵太の指から滴る双海の蜜液が、金色の水面に波紋を走らせていた。彼女の濡れ具合も、既に頃合と考えていいだろう。
「………」
兵太は、空いている手でジッパーを引き下ろす。その下で硬直を極める己が化身を、もぞりと取り出して剥き出しにした。
(えらく、たぎっとるわ…)
我が愛息は、正直な反応を見せていた。これまでに味わったことのない本体の昂奮を、反り上がったその身で表しているようだ。
「双海…」
兵太は、双海の太股を両腕で抱え込むと、そのまま、彼女の身体を持ち上げた。
「!」
いきなり、開脚したままの姿勢で抱え挙げられた双海。まるで、用足しを助けられている幼女のような姿を晒している自分に、羞恥は更に募る。
「………」
そのまま、ベッドの縁まで運ばれた。
兵太の意思は、既に理解している。催してしまった尿意によって中断した情事を、再開しようというのだ。そしてそれは、双海自身も望んでいることであった。
兵太は、双海を抱えたままベッドの縁に腰を下ろした。
「双海、ワイもうこんなんなっとるわ」
露にした男としてのシンボルは、体勢的に、双海の股間からにょっきりと生えているような姿を見せている。
「は、はい……すごい、です……」
当然、彼女にもそそり立つモノは見えている。顔を真っ赤にしながらも、赤黒く光って脈打つ巨塔を凝視していた。
「あっ……」
身体が再び、軽く浮いた。
「んっ……うっ……!」
そして、反り上がる巨塔の先端が、狙いを定めるようにヌルヌルと自分の入り口をまさぐり始めた。
ずっ…… ぬにゅるっ!
「んあぅっっ!!」
ピタリと照準が合った瞬間、兵太は双海の身体を降ろした。当然、入り口に当てられていた彼の硬直した分身は、そのまま双海の胎内を深々と穿ち貫いていた。
「う、おぉ……」
その中は、既に潤いの極致であった。兵太の分身は、襞のひとつひとつにねっとりと絡めとられ、その全身に官能的な愛撫を施されたのである。
(きもち、ええ……)
何度となく入ってきた双海の胎内であるというのに、その心地よさにはいつも酔わされる。
繋がっている部分から送り込まれる、螺旋を巻くような愉悦の奔流は、すぐに兵太を夢中にさせた。
「あっ! んんっ! んっ、んぅっ!」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅっ…
「んふっ! くっ! んぅっ! んぁっ!」
夢中になっているのは、双海も同様であった。下からの突き上げに呼応するように、彼女は腰を廻すように動かしている。慎ましやかな普段の様子からは想像もつかない、貪欲な姿勢である。