出会い〜そして〜-8
本当は全然大丈夫じゃないけど、コンさんが見ている前でオナニーをする趣味は持ち合
わせていないから我慢をする。
オナニーはコンさんが寝た後にすればいい。
「勃起させてしまったのは私のせいじゃし、ここは世話を焼くついでに一肌脱ぐとしようかの」
言うが早いか、コンさんは僕のチンコに手を伸ばしてきた。
「ちょっ、コンさ――っ!?」
「精子を出せば少しは楽になるじゃろ」
「それはそうですけど――ぁっ」
今、ここでコンさんにチンコを掴まれるのはちょっと拙い。しかもコンさんは僕のチン
コを扱く気満々じゃないか。背中には大きな胸の感触、そしてチンコには柔らかいての感
触。こんなことをされてしまったら僕はすぐに。
「こういう経験はないが、知識はあるから心配するな。きっとすぐにイカせてやるぞ」
僕の言葉を聞くこともなく、チンコを扱き始めるコンさん。あ、あぁ……拙い。ここ最
近オナニーをしていなかったから、コンさんからもたらされる刺激が凄く気持ちいい。
「ん、ビクビクと脈を打っておるな」
「は――あっ、あぁ……」
コンさんがチンコを扱くたびに、僅かに胸が揺れコンさんの口から小さな声が漏れる。
「ん、んぅ……乳首がお主の背中で擦れて……んぁっ」
小さな声だったものが段々と大きな声へと変わっていく。
「あぁ……昔、私を助けてくれた子供の背中で乳首を擦りつけておるとは……」
一人で勝手に盛り上がっているが、僕のチンコを扱くことは忘れていない。
前と後ろと更には耳まで刺激させてイッてしまわないわけがない。僕はコンさんの手の
中で盛大に精子を射精してしまった。
「おぉう、これがお主の精子か。かなりベトベトとしておるの」
指についた精子をマジマジと眺めるコンさん。うぅ……コンさんの前で射精をしてしまった。
こんな情けない姿なんて見せたくなかったのに、こんな早く見せてしまうとは……
「これでお主もだいぶスッキリしたじゃろ?」
「あ、はい……」
間違いなくスッキリはしましたけど、妙に複雑な気分ですよ。そしてコンさんはスッキ
リ出来たのだろうか? 結構一人で盛り上がっていたけど、僕が先にイッてしまってコン
さんはイクことは出来なかったんじゃ……
いやまぁ、別にこれはコンさんが勝手に始めたことなんだけど、なんというかこう……
「何を難しい顔をしておるのじゃ。そんな難しい顔をするくらいならば、身体をこちらに向けんか」
グイッと、無理やり僕の身体をコンさんの方へと変えられる。
「よし。これで前の方を洗うことが出来るの」
「あ……」
改めてマジマジと見るコンさんの裸。少々石鹸の泡がついているが、それでも僕の顔が
一瞬にして赤くなってしまうほどには刺激的だった。
「また顔を赤く染めおって。そこまで照れる必要はあるまいて」
いや、これはマジで照れますって。
「なんなら、少し触ってみるか? お主が触りたいのなら触らせてやらんこともないぞ」
「え……?」
そ、それはなんて魅力的な提案。し、しかし……ここで素直にコンさんに触れてしまう
のはズルいというか卑怯というか……
「や、止めておきます……」
自身の欲望を抑えつけ、断りを入れる。正直、危ないところだったけど、どうにか気合
で欲望を抑えることに成功した。
いくら触ってもいいと言われても、簡単に触れるわけにはいかない。こういうのはお互
い時間をかけ、ゆっくりとしていくものだから。
「なんじゃ、つまらんの」
つまらない男でごめんなさい。一歩を踏み出せない情けない男でごめんなさい。
「まぁ、裏を返せば誠実な男ということかの」
そういうことにしておきましょう。
「では、誠実なお主に免じて正面は胸ではなく、手で洗ってやるとしよう」
「え?」
「なんじゃ、もしかして胸で洗って欲しかったのか?」
「い、いえ! 手でお願いします!」
今更、タオルを使ってくれとは言わない。手で洗ってくれるのなら、それで充分ですよ。
真正面で胸を使われたりなんかしたら、僕の理性が一瞬にして吹き飛んでしまうからね。
「そこまで言い切られると、それはそれでショックなのじゃが……仕方ない。手で洗うとするかの」
再び石鹸を泡立て僕の身体に手を当てるコンさん。
泡に塗れた指が僕の腕、肩、首……と進み、胸元で――
「あふんっ」
「また面白い反応じゃな♪」
僕の乳首を軽く抓った。
「こ、コンさんっ! あなたは――」
「はは、ほんのちょっとした冗談じゃよ。もう乳首を抓ったりはせぬから、そう怒るな」
「本当ですね?」
「ああ、本当じゃ」
だったらいいけど、乳首を抓るのは反則でしょ――っ!?
「悪い。少し指が当たってしまった」
「わ、わざとだ! 今のは絶対にわざとだ!」
さっき、嘘は吐かないって言ってたのに、速攻で嘘を吐いたよこの人。
「今のは俗に言うテンドンという奴じゃな」
「…………」
この人は一体、何処からそういう知識を得てきているのだろうか? テンドンなんて普
通、稲荷神の神使が知っているような言葉じゃないでしょ。
「次からは真面目にお主の身体を洗うから、そんな目で見るな」
「本当ですか……?」
「あぁ。稲荷神に誓って真面目に洗うとしよう」
「じゃあ、お願いします」
そこまで言われたら信じてあげるしかないじゃないか。自身が仕える稲荷神の名前を出
されてしまったんだから。
「では、行くぞ」
「は、はい……」
淡々とコンさんの手が僕の身体を洗っていく。先ほど宣言した通り、ふざけることなく
真面目に僕の身体を洗っている。
「よし、後は湯で流すだけじゃな」
洗面器でお湯を掬い僕の身体にかけていく。
ザパーという音と共に身体の泡と汚れが落ちていく。そして僅かながら僕の出した精子も。