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狐もふもふ
【ラブコメ 官能小説】

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出会い〜そして〜-9

「綺麗になったな。では、次は頭を洗うとするかの」
「もしかして、頭も洗うつもりですか?」
「当たり前じゃろ。身体だけだと中途半端になるじゃろ」
「そういえば、中途半端は嫌いなんでしたよね」
「そうじゃ♪」
 まぁ、頭なら身体の時のようなことにはならないだろうから、安心出来る。
「ふむ。痒いところはないかの?」
「はい。どこもないですよ」
 ゴシゴシと丁寧に髪を洗うコンさん。もしかしたらこれも先ほどの宣言のおかげなのかな?
 そんなことを思いながら、頭を洗われていく。
 そして、本当になんの出来事もなく順調に頭を洗われ――
「これで全て綺麗になったはずじゃ。では、次は私が洗うからお前さんは先に湯船に浸かっておれ」
「わ、分かりました……」
 僕にコンさんの身体を洗わせる。みたいなことはないんだね。
 なんだかホッとしたような残念なような……
「ん〜♪ ふふ〜ん♪ ふ〜ん♪」
 また上機嫌に鼻歌まじりに自身の身体を洗っていくコンさん。そういえば狐の耳と尻尾
はどんな風に洗うのだろうか? 人間と同じ部分は人と同じように洗っていくのだろうけど、
耳と尻尾はどうなんだろ?
 未知の光景に胸を躍らせながら身体を洗うところを見つめる。
「……ん? 女性をジロジロと見るのはマナー違反だと教えなかったか?」
「あ、す、すいません!」
 だって仕方が無いじゃないか。本当に気になるんだから。
「身体を洗った時に充分すぎるほど見ただろうに、まだ見たいとは貪欲じゃの……」
 なんだか変な勘違いをされているような……
「まぁ、悪い気はせんかの」
 小さく僕にも聞き取れないぐらいの声で何かを言ったコンさんは、再び上機嫌に鼻歌を
歌いながら身体を洗い始めた。
 そして、ついにやってきた尻尾。一体どんな風に洗うのだろうか。
「……んっ」
 髪を梳くかのような優しい手つきで尻尾を洗っていくコンさん。サラサラと流れるよう
な手つきで尻尾が洗われる。
 毛の一本一本を丁寧に洗っていく。ここまで丁寧に尻尾を洗うとは思わなかった。
 それにしてもコンさんが尻尾の毛を洗うたびに、僅かに漏れる艶やかな吐息。
 それがいちいちエッチな感じがしてくるから困る。
「んぁ、あ……はっ、んん……ぁっ」
 本当にエッチな感じがして困るよ。
「んん、ん……っ」
 ザパーとコンさんの身体についている泡が流されていく。お湯がかり泡が流されると、
コンさんの尻尾はしんなりと細くなっていた。
 あぁ、やっぱり尻尾も普通にしんなりと細くなってくるんだね。
「ふぅ。サッパリしたの。次は頭を洗うとするとしようかの」
 頭にお湯をかぶり髪の毛を洗っていくコンさん。尻尾の時とは違って耳の方はお湯に濡
れてもしんなりと細くなることはなく、濡れる前と同じようにピンと立っていた。
 尻尾の時と同じように髪の毛を丁寧に一本一本洗っていく。
 尻尾もそうだったけど、髪の毛も長いから洗うのが凄く大変そうだ。
「――はふう。これで私も綺麗になったな」
 身体も髪も洗い終わり綺麗に汚れを落としたコンさん。そして、僕の顔を見たと思ったら――
「さてお前さんと一緒に湯船に浸かるとしようかの」
「えっ!? 一緒に湯船に浸かるんですか!?」
 ギリギリ二人分入れるスペースはあるが、実際に二人一緒に入るとかなりギュウギュウ
でキツイと思う。そんな浴槽に二人で入るというのだろうか?
「嫌とは言わせんぞ。お前さんと一緒に湯船に浸かるつもりで私は、風呂に入ったのじゃ。
 故にその気持ちを崩すのは許さんぞ」
 ギロリと鋭い視線で僕を見るコンさん。うぐ……っ、そんな目で見られたら断るだなん
て出来ないじゃないか。
「わ、分かりました……」
 拒否をするのを諦め、コンさんが入れるスペースを空ける。
「うむ♪ さすがじゃな。お主のそういうところは大好きじゃ♪」
 嬉しそうにコンさんが浴槽の中に入ってくる。その瞬間、見えてはいけないものが色々
見えたけど、忘れることにしよう。
 僕は何も見ていない。コンさんのぷっくりとした乳首や綺麗なお股なんて見えていないんだ!
「ふぅ。温度も程よくてなかなかに気持ちのいい湯船じゃな」
「そ、そうですね……」
 互いが見詰め合うような格好で湯船に浸かる僕とコンさん。そこまで広いわけじゃない
から、身動きがとれなくて、コンさんから視線を外すことが出来ない。
 強制的に見せられてしまうコンさんの艶やかな裸。見てはいけない、視線を逸らさない
といけないのに――視線を外せない。これは、本当に身動きが取れないせい、なのか?
 それとも本当は――
「こうして狭い湯船に二人で浸かるというのも、乙なものじゃな……」
「そういうものですかね」


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