★★★★-6
指を抜き、肩で息をする陽向にキスをすると、湊は立ち上がってサイドテーブルの引き出しからコンドームを取り出して素早く装着した。
陽向の右足を自分の肩に乗せ、ゆっくりと沈めていく。
「いぁぁ…あぅっ…」
「んっ…」
イったばかりの陽向の中は、湊をやわやわと締め付けた。
腰を送るたびに卑猥な音が響く。
目を閉じて喘ぐ陽向の唇に自分のそれを重ね、激しく腰を送る。
「んっ…ふっ…ぁ…」
動きを止め、今度は陽向を抱き上げソファーに座らせる。
「脚開いて…」
その通りにした陽向の秘部に、また欲望を沈める。
ソファーの背もたれに手を付き、動き始めると、陽向は湊にしがみついて、乳首を舐め始めた。
「っあ…陽向…気持ちい…」
自分のものがどんどん大きくなっていくのを自覚する。
「あっ…んぁ…」
「は…んっ…やべっ…」
肌に当たる温かい吐息さえ愛おしい。
湊は陽向の背を抱き、快感に浸った。
再び引き抜き、陽向を立ち上がらせ、ソファーの背もたれに手をつかせる。
「へっ!?」
「後ろからやりたい」
「え…や…やだっ!…いやぁっ!…んぁぁっ!」
有無を言わさず腰を掴んで入れると、陽向は叫び声に似た声を上げた。
「や…やだっ!湊!いやっ!…っあ!」
嫌がる陽向の背を抱き、右手でクリトリスを刺激する。
中がぎゅっと締まる。
「だめっ!湊っ!お…お願い…前から…して…」
そう言った彼女の声は涙声だった。
「んっ…ん…」
「やぁっ!…だめ…イっちゃう…から…」
言った直後、陽向は身体を震わせてソファーに崩れ落ちた。
「…っう…う」
「そんなに嫌だった?」
泣きじゃくる陽向を抱き寄せる。
陽向はコクッと頷いて湊に抱き付いた。
「湊に…」
「ん?」
「湊にこうしてもらえないのが…やなのっ…。お願い…もっとギュッてして…」
きつく抱き締めると、陽向は湊の腕の中で飛び出す嗚咽を押し殺しながら泣いた。
「甘えん坊」
湊は笑うと、陽向の膝と背中に手を入れて抱き抱えてベッドまで連れて行った。
優しく寝かせ、頬を伝う涙を指で拭ってやる。
「泣き虫なんだからお前は…」
「うるさいな…」
「そんなとこが好き」
額と額をコツンと合わせ、綺麗な栗色の髪を撫でる。
「大好きだよ…陽向…」
やっと言えた。
ずっと言ってやりたかった。
けど、恥ずかしくて言えなかった。
「湊…」
陽向がやんわりと微笑み、湊の首に腕を回す。
「大好き…」
自然と唇が重なる。
湊はそのまま小さな身体を抱きしめ、おさまらない欲望を陽向の中に沈めた。
ゆったりとしたリズムを刻みながら、激しいキスを繰り返す。
「んっ…ぁ…湊っ…」
再び中が収縮し始める。
ぎゅうぎゅうと締め付けられる感覚と、耳元で聞こえる高くて少し掠れた可愛らしい陽向の声に、興奮が高まる。
「っあ…陽向…」
もう、我慢できない。
無我夢中で快感を求める。
「やっ…ぁ…んんっ!」
「あ…うっ…イくっ…」
「あっ…あ…」
陽向がまた、ピクッと痙攣する。
「はっ…ぁ…」
きつく抱きしめると、グッと何かが押し寄せゴム越しに微細胞たちが放たれた。
ベッドにくたりと丸くなった陽向に布団をかけてやる。
湊はその隣に寝そべると、陽向を抱き寄せこめかみに手を差し込んだ。
赤ん坊のようにスヤスヤ眠る姿が愛らしくて、ついニヤけてしまう。
「陽向」
呼びかけると、「ぁ…」と小さな声を出して眠たそうな目で湊を見つめた。
「大丈夫か?」
「ん…」
「三回もイっちゃったもんな。そりゃ疲れるか」
「バカ…」
陽向は湊の胸を軽く叩くと、また目を閉じてしまった。
「おねむなの?ひな坊」
「ひな坊ってなによ」
「赤ちゃんみてーなんだもん、お前。ひな坊って名前めちゃくちゃ似合ってる」
陽向は「バカにしないでよっ!」と言って湊のほっぺたをつねった。
「いでっ!バカにしてねーよ」
「湊が言うとバカにしてるよーに聞こえるの」
「うるせーチビ」
「チビじゃないもん!」
怒った陽向のほっぺたを両手で包み、鼻にキスをする。
フッと笑うと、陽向は顔を赤くした。
すぐに照れるところがまた可愛らしい。
しばらく抱き合い、互いの体温を感じる。
何を話すわけでもなく、ただ、肌を重ねているだけなのに心が満たされる。
ウトウトし始めた陽向のほっぺたを軽くつねる。
「服着な。お前すぐ風邪引くんだから」
「…ん」
湊は立ち上がってクローゼットから部屋着を出して陽向に渡した。
ノロノロと着替え、またベッドにくたりと横たわる。
湊も着替えてベッドに戻った。
布団の中に潜り込み、陽向を抱き寄せる。
「湊の匂いがする」
ダボダボのパーカーの袖を顔に当てて、陽向はそう言った。
「どんな匂い?」
「優しい匂い」
「なんだそれ」
陽向はヒヒッと笑って湊の指に自分の指を絡めた。
「手繋いで寝るの?」
「…いい?」
「お好きに」
満足そうに微笑み、しばらくすると陽向はスヤスヤと眠ってしまった。