彼1-4
「もし良かったら、これから一緒に軽く飲みませんか?」
彼、赤い顔してた(笑)。
「ナンパ?!」って思ったけれど、どうせ帰っても一人だし、味気ないコンビニ弁当を部屋で食べるより、パチンコの話でもしながら彼と軽く飲んでも良いと思いました。
「良いですよ!」
「じゃあ、奢ります。何が良いですか?」
私、どちらかというと「ぐいぐい引っ張ってくれる人」の方が好きなので、「何が良いですか?」なんて聞かれて少しがっかりしました。
でも、きっと彼女も居ない(まさか童貞って事は無いだろうけれど)、田舎育ちの青年に期待しちゃ可哀想だと思って、許しました(笑)。
「駅の裏側に美味しい焼き鳥屋さんがありますよ」と、お姉さんぶって言いました。すると、意外にも
「あ、『鳥好』ですね。俺もそこに行きたかったんですよ。」と、ニコニコして言いました。内心では「へ〜、知ってるんだ・・・」なんて、思ってたけれど。
ビールで乾杯して、話題はもっぱらパチンコの話。だって、それ以外の共通点は無いから(笑)。
どれくらい勝った事がある、負けた事がある、こういう台は好調で、これが出ると危険なサイン・・・、そんな会話でしばらく話していました。
その内、だんだんと酔っぱらって来て、パチンコの話にも飽きたし、その時点で初めてお互いの名前も知らない事に気がついて、自己紹介しました。
「どこの出身?! 私は地元。」
「山形。」
「学生?」
「そう。」
「この辺に住んでるんですか?」
「近所ですよ!」
そんな、あまりプライベートに踏み込む訳にも行かないから、当たり障りの無い会話が続きました。
しばらくして、彼が言いました。
「いつも、結構きわどい格好でパチンコやってますよね。」
「え?」
「今日だってミニスカだし。」
私、さっきも言ったけれど、結構露出度の高い服が好きなんです。というより、露出度の高い服しか持ってない(笑)。
別に、それほどスタイルに自信があるわけじゃないし、見せつけたいわけじゃないけれど、男の人が私の身体をチラチラ見る視線が好きだから、洋服を買うとき、どうしても「これ着たら見られるかな?!」なんて思っちゃう。(笑)。
そして、その期待通り見られると、「あ、見てる見てる!」なんて、喜んでる。
ちょっと悪趣味?!(笑)
「そうかな〜?!」
結構酔っていたし、もちろんH系の会話に行くのは嫌いじゃないし(笑)。
「あの店の常連の間で、話題になってるみたいですよ(笑)。」
「え〜〜!! いやだぁ!」
もちろん、嫌じゃありません(笑)。
「どんな話題?」
「みんなあなたの事を『キャバクラ系』って呼んでます。」
「ウソ〜〜〜!!」
「ホント。だって、そんな格好でパチンコ屋に来てたら、言われても仕方ないっすよ!」
「そうかな〜。それほどエロく無いと思うんだけどな。」
「センター街とか歌舞伎町だったらエロく無いけど、こんな田舎のパチンコ屋でその格好は十分エロい(笑)。」