〈幼き獲物・銭森美津紀〉-10
『ハゲオヤジ、甘えた声出してんじゃねえ!早くイッちまえよ、コラァ!!』
専務はサロトまで罵倒し、ゲラゲラと笑った。
美津紀や文乃、その他の美少女達は、貴重な香木を格安で得る為の金品でしかなく、サロトもまた、色欲に憑かれた下劣なオヤジでしかない。
人を人とも思わぬ二つの犯罪集団に、美津紀達は捕われたのだ。
あおい達四姉妹も、結局は道具としてしか見られず、使われるだけ使われ、用済みとなって棄てられたのだ。
何故あの時、不用意に貨物船に乗り込んでしまったのか?
数年前の夏帆と同じ失態を犯したとも知らず、美津紀は死ぬほどの後悔をしていた。
しかも、先輩である文乃まで巻き込んでしまったのだ。
自分が消え、親友である文乃まで消えたなら、きっと麻里子は黙ってはいないだろうし、一人ででも捜すだろう。
それがどんなに危険な事か、今の美津紀には痛いほど解っているが、それを伝える手段など有り得ない。
『うひ…うひッ…美津紀ぃぃ〜……』
サロトは美津紀をギュッと抱きしめ、耳元に上擦った言葉を吐きかけた……美津紀の心の中には非常事態を告げるサイレンが鳴り響き、早くこの危機から脱しろと騒ぎ立てた。
「離…してぇ!!…離せッ!!離せよバカぁ!!!」
もう形振りなど構っている余裕は無い。
美津紀はすぐ傍にあるサロトの顔に噛み付こうと首を回し、それが叶わぬとなると側頭部で頭突きをしようと頭を振り乱した。
だが、サロトはしっかりと髪を掴んでいたし、恋人を抱きしめるように美津紀の頭部を掌に収めている。
美津紀はどこまでも無力であり、哀しいまでに弱かった。
鼓膜に直接的にサロトの吐息を感じ、下半身は熱い肉棒の往来を感じている。
サロトは美津紀の呼吸を妨げるほどに強く抱きしめ、破壊的な性器同士の衝突を繰り返す……専務の笑い声やサロトの甘ったるい鼻声を掻き消すように、美津紀は泣き叫んだ……。
「い"ぎゃあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!」
突如として撃ち込まれた大量の精液に、まだ発育のしきれてない小さな子宮はボコンと膨れ、その未知の衝撃と、残虐に過ぎる仕打ちに美津紀は我を忘れて叫び、少女らしからぬ悲鳴をあげて虚空を見つめた。
泣き腫れた瞳は真ん丸に見開き、絶叫のままに開かれた口は閉ざす事を忘れた。流れる鼻水も垂れた涎も、もう意識する事も無い。
サロトの肉棒が吐き出した反吐は、とても人体から射出されたモノとは思えぬくらいに熱く、その“熱”によってはっきりと子宮の存在を感じられた。
まるで熔解した鉄を流し込まれたような、とてつもない激痛を伴って……。