THANK YOU!!-1
瑞稀のアメリカ行きが決まって早2週間。
3日後の午後に、瑞稀は出発することになっていた。
今日は、親友の恵梨に手伝ってもらいながらアメリカの部屋に送る荷物の荷造りをしていた。ついでに、散らかった部屋の掃除も。
「んー!!こんなもんかな」
「結構量あるねー」
「まあ、マンガとかも入れたしね」
大きいダンボール箱二つと小さいダンボール箱一つを見て苦笑いした二人。
あとは明日の朝一で、叔父と一緒に郵便局へ運んで、手続きするだけだ。
もう、時間はとっくに日暮れ。すぐに夕飯で呼ばれるだろう。
「恵梨、ゴメンな。私のせいで三日間学校休ませることになって。」
「いーのいーの!ウチが瑞稀といたいんだって。それに、ウチこそゴメンね。家に泊まりたいなんて」
「それこそ“いーの!”だよ!本当にありがとう!」
「いーえー!」
恵梨は昨日から、瑞稀の家に泊まっていた。
理由は、瑞稀の部屋の片付けを手伝う為と見送るまでの時間を共に過ごしたかったからだ。
そのため、学校を三日間休んでいた。(土曜日は元々、創立記念日で休みだった)
一方の瑞稀は、昨日恵梨を迎えに行く前に学校へ行き、退学届けを出した。
一応、高1の復習テストをやらされたが、8割合格で返却された。
「瑞稀、恵梨ちゃん!ご飯よー」
「「はーい!」」
タイミング良く聞こえた祖母の言葉に返事をすると、二人は笑いながらダイニングに移動した。
テーブルに座った二人は、机に置いてあるモノを見て喜んだ。
そこには、二人の大好きなチーズグラタンがあったから。
「やった!チーズグラタン!」
「ありがとうございます!」
「いいのよ、恵梨ちゃん。瑞稀の手伝いの為に泊まりに来てくれて、こっちは有り難いんだから。」
「そうそう。瑞稀一人だと出発までに絶対間に合わねーしな」
「ちょ、じいちゃん黙れ。・・・・あれ、お兄ちゃんまだ?」