付き合い始めて一週間…事件は起きた。-7
「…帰るから離してくれない?」
「分かったよ〜…つれないなぁ」
少し残念そうに彼は私を離した。よっこらしょとゆっくり立ち上がる。
そんな私を見て彼はぼそりとこういった。
「…よっこらしょってお前…年寄りかよ」
「うるさい!自然に出たんだよ!」
「ほらほら、怒ってばかりいるとしわ増えるよ〜?」
「しわなんて一つもないわ!」
「ふ〜ん…じゃあ全部脱がして全身調べてみようか?」
そう言ってぐいっと私に詰め寄る彼。とっさに私は足を出してしまった。
「痛ってぇ〜…蹴ることないだろ?」
「ふんだ…」
ぷいっとそっぽを向くと彼は微笑んだ。そしてそのまま笑顔で一言こういった。
「怒ってる顔も可愛いよ」
「っ…う、う、う…うるさぁぁぁい!黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇぇ!」
照れ隠しに彼を殴りながら叫ぶ私。本当、余計なこと言うんだから…馬鹿。
瑠奈はそんな私を見てにやにやしていた。
「照れてる顔も可愛らしいですね…ねぇ?兄さん?」
「…そうだな…って…」
「ふふ…兄さん、駄目ですよ〜?お嬢様に手を出したりしたら私が許しませんからね?」
「だ、ださねぇよ!」
「…どうだか?」
「うるさい!大体俺は…彼女の執事だし」
ぼそりと呟くように彼が言うと、彼女は「敬語使わないくせに」とニヤニヤしながら言った。
「いいんだよ!」
「ふぅん…まぁいいです。帰りましょうか」