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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-7



それでも、爆笑されることに段々と腹が立ってきた拓斗は再び瑞稀を抱き寄せて唇を重ねた。
突然のことに驚いた瑞稀が拓斗の胸を押し返そうとするが、逆に拓斗は瑞稀の頭をしっかり抱き込んでキスを続ける。時々、角度を変えながら。

しばらくして、本当に苦しくなった瑞稀は力の入らない手で拓斗の胸を叩いた。
それに気付いて、名残惜しそうに唇を離された。

「あのね・・」
「言っとくけど、爆笑したお前が悪い。」
「・・・だって。・・いーじゃん別に」
「へー、もっかいされたい「スイマセンでした、これ以上は恥ずかしすぎて無理です」・・即答は無いだろ・・」

拓斗のシュンとなっている表情を見て瑞稀が小さく笑っていると、秋乃が袋を下げてプールの入口から声をかけた。
親友の登場に、待ってましたと言わんばかりに瑞稀は秋乃に走り寄った。
そして、久しぶりの挨拶もそこそこに持ってきてもらった着替えを受け取ってお礼を言う。
その中に入っている大きめのタオルを自分のあとに続いてきた拓斗の頭に乗せた。

「いいよ、瑞稀使え」
「ダメだよ!拓斗だって濡れてんだから!ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ!?」
「そんなヤワじゃないから平気だよ。むしろ瑞稀の方が風邪ひくだろ」
「私だって、大丈夫だよ!それに、着替えあるもん!」
「あのな・・濡れたまま着替えたって意味ないだろ・・?」

目の前で繰り広げられるタオルの譲り合いを静かに見物していた秋乃は暫くポカンとしていたが、あることに気づくとにやっと笑った。

「なるほど?やっと両思いになってくれたってわけか」
「「・・!!!」」

その秋乃の言葉に、近い距離でタオルの譲り合いをしていた瑞稀と拓斗は顔を赤くした。
二人して身体をびくつかせた様子に秋乃は満足したようで、置かれていた瑞稀の携帯を拾って渡すと、「あとで電話でゆっくり聞かせなよ」と囁くと瑞稀から離れて来た道を帰り始めた。
このあとのことを考えて真っ赤になっている瑞稀を見て、何を言われたのだろうと首をかしげている拓斗に向かって秋乃は声を上げた。

「瑞稀を送ってきなよー、彼氏さん!」
「「・・!」」

手をヒラヒラさせて、校門へ歩き出す秋乃を見送ってから二人は顔を見合わせた。
なんて言っていいかわからない瑞稀は、暫く考えて「き、着替えてくる!」と言ってプール横にある更衣室に逃げ込んだ。
まさか着替えを覗くわけにもいかなかった拓斗は少し安心して、その入口の外で待っていた。
5分ほどで、着替えが終わった瑞稀は更衣室から出てきた。
さっきと似たようなスタイルで、デニムの短パン、藍色のTシャツの上に白いパーカーを着て、身体を冷やさないようにしていた。
まるで風呂上がりのような色気を出す瑞稀に一瞬クラっとなるが、なんとか耐えて「帰るか」と声をかけた。
「うん」と頷いてから、拓斗の頭にもう一度タオルを乗せて今度は返されないように先に歩き始めた。
その心地良いほどの強引さにため息をついたが、顔は嬉しそうな拓斗。
瑞稀のあとを追い、隣に追いつくと瑞稀の手を取った。

「・・!」

急に感じた温もりに驚いて顔を上げた瑞稀に照れたような笑顔を見せて、強く握り締めた。その笑顔に見惚れた瑞稀は顔を真っ赤にさせて俯いたが、手を握り返した。
二人は、顔を見合わせると笑った。
そして、瑞稀の家に着くまでの間。ずっと話したかった色々な事を話した。
指を絡ませて恋人つなぎをしている手を離さないように・・。






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